0歳児と4歳児の保護者をしてます盛田諒ですこんにちは。あじさいは色づきはじめ、去年12月に生まれた赤ちゃんは離乳食が始まりました。4歳児は水風船遊びに夢中でリビングに大きな水たまりを作ってくれています。にぎやかな4歳児とおとなしい0歳児、対照的な2人の子を見ていると、人というのは基本的に生まれてからずっと変わらないものなんだなと感じます。4歳児は生まれたときからにぎやかだったし。三つ子の魂百までと言いますが、0歳児の魂百までなんじゃないでしょうか。
生まれたときから変わらない性格
0歳児はおとなしく、どっしりした性格です。体は生まれたときからふくふく丸く、腕と足はむちむちのちぎりパン。ずいぶん落ち着いた子だな〜と思っていたものの、お風呂あがりにおむつを替える途中で寝たときはさすがに「そんなことある?」と声が出ました。やっぱり二人目だからなんですかね、このブッダ級の余裕は……。
一方、4歳児はちょこまかとあちこちを動きまわり、口を閉じることがありません。「あのね、ディプロノックスは昔の恐竜なんだけどカラフルなんだって。赤とか黄色とかあるんだって」と思いついたことを延々しゃべりつづけています。糸電話を作ったかと思えば糸の下にプラレールを走らせて電線にしたりで、想像力がとどまることを知りません。
やりたいことが増えれば、できないことへの不満も同じだけ増えるのが4歳児。お風呂で遊んでいるときに「お湯がなくなるからシャワーを止めるよ」と言ったら「あーっお父さん変なこと言ってるよっ!お父さん変な人ーっ!」と猛烈に反発していました。「変な人」は4歳児が知る最大級の悪口です。あっちょっと、お父さんをぶつのはやめてください。
0歳児が生まれたことをきっかけに家移りを考えているのですが、物件を見るときも「4歳児が住みやすい家」という条件つきになります。マンションは階下の物音が気になるし、中古の戸建てかなあという感じ。そして内見中も「おうち帰りたい〜」とゴネるのでなかなか話が進みません。
気はやさしく、みんなが戦いごっこをしているときに1人でお花を詰んでいるような4歳児ですが、意思の力はむちゃくちゃ強固。妻に似ているところもありますが、ゴネ力(ごねりょく)は4歳児が上を行きます。
たまに「4歳児がおとなしい子だったら」と思いを馳せることもありますが、逆に「この子はこの子だから」と思うと気がラクになることもあります。しつけが大事なのはわかるけど、この子は基本こういう子で、それが良いところでもあるんだから、ある程度しゃーないよなと。
おそらく向こうだって「こういう親だからしゃーない」としぶしぶ呑んでいるところが多々あるんだろうし、お互い様なんじゃないかと思うんですよね。子どもにしてみれば私と妻の性格も違いすぎているだろうし。子どもたち同士も「こういう兄(妹)だからしゃーない」という気持ちと付き合っていくことになるんじゃないでしょうか。
家族とは性格が異なる人の集まり
一方で、保育士さんは子の性格をわかってくれる貴重な一人です。
0歳児の通園ノートには「お花に手をのばして、あーあーと声を出していました」「お昼寝のふとんに置いたらスーッと寝てしまいました」、4歳児の通園ノートには同じく「『はるおがやる』と自分以外の食器も進んで片づけてくれています」などと、いかにも子どもたちがやりそうなことが書いてあり、子どもたちの性格が外でもそのまま受け止められているようで嬉しくなります。
性格はずっと変わらなくても、人間関係や生活環境は変わっていきます。そのときお互いに「しゃーない」とわかり合える人とめぐり会うことで人は生きているところがあります。
思えば、家族も生まれもった性格が異なる人間の集まりで、小さな社会なのかもしれません。私たちは「しゃーない」と言い合いながら生きている親しい他人。そう考えると「親だから」「子だから」という宿命のようなプレッシャーも多少軽くなる気がします。
そんなことを考えていたからか、子が水遊びをしているのを見ながら「なんか水風船って人間っぽいな」などと考えてしまいました。ぷにぷにした触感もあるんですが、色彩が人間の性格みたいだなと。水風船は初め、それぞれの違いがきわだつ濃い色なんですが、水を入れると同じように透き通ったパステル調の淡い色彩になり、ぱしゃんと割れると、ふたたび鮮やかな色彩に戻るんですよね。
人も水風船みたいに、社会に出ると色味が淡くなることがあるけど、最期にはふたたび生まれたときと同じ鮮やかな色に戻るんじゃないか。人は水風船と違って良いところと悪いところが重なり合ってそれぞれの色彩を作っているものだけど、それをおいても元来美しいものなんじゃないかと……って朝礼でポエムを読む校長先生になってきましたね……これも私の性格か……。
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ。4歳児と0歳児の保護者です。Facebookでおたより募集中。
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