軽量&コンパクトでもPCとしての性能に妥協なし!
PCとしての性能面を見ていこう。
FVシリーズは、第11世代Coreプロセッサーを搭載。インテルの最新世代モバイルCPUとなるもので、とくにグラフィック性能の強化が著しく、PC全体のパフォーマンスの底上げに一役買っている。
実際、第10世代Coreプロセッサーを搭載したLV9との性能比較で、システムパフォーマンスが約1.6倍にまで上昇しているという。
※2021年夏モデルCF-FV1GFNQR(CPU:i7-1165G メモリー:16GB ストレージ:SSD512GB)と2021年春モデルCF-LV9DDNQR(CPU:i7-10710U メモリー:16GB ストレージ:SSD512GB)との比較。ベンチマークソフト(PCMark® 10)によるパナソニック調べ。
その性能の片鱗を見てみようと、Core i7-1165G7を搭載したモデル(CF-FV1GFNQR)を使い、CPU単体の性能をベンチマークソフト「CINEBENCH R23」でチェックしてみたところ、マルチコアで5631pts、シングルコアでは1523ptsというスコアになっていた。
実は同じCPUを搭載したノートPCでも、性能が同じとは限らない。これは、CPUの高性能化により発熱量が増加したことが原因だ。
CPUは温度が高くなりすぎると動作が不安定になるため、自動的に動作クロックを下げ、温度を高くならないよう調整する機能が備わっている。つまりCPUが同じでも、CPUクーラーの冷却性能が低ければ動作クロックは高くならないし、逆に冷却性能が高ければ、それだけ高クロック動作を長時間持続できることになる。
手元にある同じCPUを搭載したノートPCのスコアをいくつか確認してみたところ、マルチコアでは4700~5465pts前後、シングルコアでは1450~1525pts前後という数値になっていた。つまり、先に試したCF-FV1GFNQRのスコアはかなり高い部類だ。
この高性能を支えているのが、パナソニック独自の「Maxperformer」による放熱設計。これはCPUの温度を細かく検知し、可能な限りフルパワー状態を引き延ばすだけでなく、負荷に応じて細かくCPUの速度を調整することで、高性能と省電力とを両立させた技術となる。
さらに、FVシリーズではデュアルファンによる強力な冷却を実現した新開発の冷却ファンユニットを採用し、より強力に冷やせる……つまり、CPUをより高速に長時間動作できるようになったのが大きい。
もちろんこの改良は冷却ファンユニットだけではない。それだけの熱をしっかりと放出できる本体デザインがなければ無理な話だ。FVシリーズでは排気口を従来の側面から、キーボードの奥、ディスプレイとの境界部へと移動したことで、この問題をクリア。この位置だと排気口を大きくできるため、熱を素早く排出できるようになったのだろう。
もうひとつ、グラフィック性能のベンチマークも試してみよう。使用したのは軽量ゲーム向けのベンチマークとして定番となる「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」(以下、FF XIVベンチ)だ。
解像度はフルHD(1920×1080ドット)、画質は「最高品質」としている。
以前であれば、解像度を1280×720ドットに下げ、画質を最低にしてなんとか動くレベルだったが、第11世代Coreプロセッサーを搭載したFVシリーズであれば、フルHDでも普通に遊べるレベルとなっている。
もちろん、ゲーミングPCと比べてしまえば足元にも及ばないが、軽量モバイルノートPCに分類されるモデルであっても、ちょっとしたゲームが楽しめるというのは驚きがある。ガッツリ遊べるとまでは言えないものの、ちょっとした休憩時間にゲームを楽しむ程度は問題ないレベルだ。
もうひとつ、第11世代Coreプロセッサーの強みとなるのが、高速なPCIe Gen4に対応したこと。FVシリーズに搭載されているSSDはこのPCIe Gen4に対応しているモデルで、「CrystalDiskMark」を使って速度を調べてみたところ、シーケンシャルリードで6792.91MB/sという、非常に高速な結果となった。
ある程度の速度を超えてしまえば体感で違いがわかるほど差がつくことはないのだが、それでも、動画ファイルのコピーや巨大なソフトのインストールなどで、威力を発揮してくれるだろう。