アクセルスペース、光学観測衛星4機による初撮影画像を公開
AxelGlobeの5機体制によるサービスイン準備が最終段階に
アクセルスペースは、次世代地球観測プラットフォーム「AxelGlobe」向けに開発し、3月22日に打ち上げた超小型光学観測衛星4機(GRUS-1B、1C、1D、1E)による、最初の撮影画像(ファーストライト)を公開した。
AxelGlobeは、アクセルスペースが構築を進める次世代地球観測プラットフォーム。地球観測を目的とした質量およそ100kgの超小型光学観測衛星GRUSを多数軌道上に配置し、地球上のあらゆる場所を1日1回という高頻度で観測可能になることを目指している。
GRUSは、従来の地球観測衛星と比較して小型でありながら、高品質な地上分解能2.5m(地上の車を識別できる程度)の光学画像撮影が可能だ。
GRUS4機のファーストライトは下記のとおり。画像は、マルチスペクトル画像を公開用にリサンプリング処理を施して作成したもの。ジオメトリック補正、ラジオメトリック補正は未適用であり、実際のサービスで提供されるプロダクト画像とは仕様が異なるとのこと。
アクセルスペースは、2機の衛星による同地点の撮影例も公開した。
図5と図6は、それぞれGRUS-1D、GRUS-1Bが撮影した同一地点のもの。打ち上げ後、2機の間の距離が短い間に撮影を実行したため、撮影時刻には約6分の差しかない。それぞれの一部を拡大した図7と図8を比較すると、湾内の船の移動から撮影時間差を確認できる。
なお、現在は各衛星を軌道上で移動させ、5機を均等に配置するフェージングという作業を実行中のため、今後は短い時間差で同一地点が撮影されることはないという。
アクセルスペースは、上記のフェージング作業が完了次第、サービス提供中のGRUS–1Aとあわせて、5機体制による正式なサービスインを予定しているとのこと。同社によれば、5機体制の実現より、日本を含む中緯度域での観測頻度が現在の2週間に一度から2日に一度に向上するため、これまで以上に幅広い用途への本格活用が可能になるとしている。
また、同社は5月14日、第三者割当増資によるシリーズCラウンドで約25.8億円の資金を調達した。調達資金により、2023年を目標に5機の光学観測衛星GRUSの製造・打ち上げを実施し、これまでに打ち上げた5機とあわせてAxelGlobeを合計10機による地球観測プラットフォームに進化させるとしている。