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このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第279回

4万円台でFeliCaと5Gに対応「OPPO Reno5 A」は格安スマホ界の救世主だ

2021年05月25日 13時40分更新

文● 佐野正弘 編集●ASCII

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性能は再びミドルハイに向上

 続いて性能面を確認すると、OPPO Reno5 Aはチップセットにクアルコム製の「Snapdragon 765G」を搭載、メモリーは6GB、ストレージは128GBとなっている。Snapdragon 765Gの採用で5G対応を実現しただけでなく、前々モデルの「OPPO Reno A」同様、OPPO Reno3 Aが搭載していた「Snapdragon 665」よりも1クラス上のチップセットを再び採用しているのだ。

 とりわけ、その違いが大きく出るのはゲームであろう。OPPO Reno3 Aはゲームプレイに関して、画質を落とせば不満を抱かない最小限の性能という印象を受けたが、OPPO Reno5 Aはそれよりも高いプレイ体験を得ることができる。

 実際、「PUBG MOBILE」はグラフィック設定を「HDR」、フレーム設定を「ウルトラ」まで上げることが可能で、OPPO Reno3 Aのグラフィック設定が2つ下の「標準」までしか上げられなかったことを考えると、かなり体験に差が出る印象だ。

「PUBG MOBILE」のグラフィック設定は最大で「HDR」、フレーム設定も「ウルトラ」まで上げることが可能だ

最高画質に設定して実際にプレイし、標準搭載の「ゲームスペース」の1機能「ゲームアシスタント」を呼び出し動作を確認。CPUやGPUにかかる負荷はそこまで高くないことが分かる

 しかもOPPO Reno5 Aはディスプレーの90Hz駆動に対応している。120Hz駆動のモデルと比べればスムーズさは落ちるが、一般的なスマートフォンより描画が早くなり、ゲームだけでなく通常操作でもスムーズな体験が得られるようになる。

 ただ、もちろん「Snapdragon 888」などハイエンド向けのチップセット搭載機種と比べれば性能が高くないのも確か。「原神」の画質設定は初期状態で「低」となっており、「中」以上に上げるとデバイス負荷が「非常に高い」となってしまうし、フレーム数も20~30程度となり、プレイ中のスムーズさは欠ける。

「原神」の画質設定は標準で「低」。「中」以上に上げると負荷が「非常に高い」となってしまう

画質を「最高」に上げ、プレイ中にゲームアシスタントを呼び出したところ。フレーム数は30前後と高いとはいえず、GPUに高い負担がかかっていることが分かる

 一方、バッテリーは4000mAhと、OPPO Reno3 A(4025mAh)と大きく変わらないが、必要十分な容量を備えている。ワイヤレス充電やOPPO独自の急速充電技術「VOOCフラッシュチャージ」には対応していないが、18Wの急速充電対応には対応している。

 さらにOPPO Reno5 Aには「超省エネモード」という機能も用意されている。これは本体のパフォーマンスを下げ、なおかつ利用できるアプリの数を制限することで消費電力を抑えるモードで、実際に試してみたところ、10%未満のバッテリー容量でも2時間以上利用することが可能だった。

「超省エネモード」に切り替えたところ。パフォーマンスを落とすなどして可能な限りバッテリーを長持ちさせる機能で、災害時などにも役立ちそうな機能といえる

 そしてOPPO Reno Aシリーズと言えば、やはり日本仕様への対応が重要なポイントといえるだろう。OPPO Reno5 Aは前機種同様IP68の防水・防塵性能、そしてFeliCaにしっかり対応しており、SIMフリースマートフォンとしては貴重な存在といえる。

5Gはドコモ以外に最適化でeSIMにも対応

 もう1つ、この機種の大きなポイントとなる5G通信についても確認すると、5G対応周波数帯はサブ6のみで、n3(1700MHz帯)/n28(700MHz帯)/n77(3.7GHz帯)/n78(3.7GHz帯)の4つとなる。auやソフトバンクが4Gから転用する帯域に対応する一方、ドコモが使用するn79(4.5GHz帯)に対応していないので、ドコモのSIMでは限定的な対応となる。

 試しにドコモのSIMを挿入して3.7GHz帯の5G対応エリアで確認したところ、5Gのネットワークに接続できることは確認でき、通信速度を測定してみたところ、場所にも左右されるがおおむね下り150~300Mbpsは速度が出ていた。ただOPPO Reno5 Aで5Gの実力を真に発揮するなら、エリア面を考慮してもドコモ以外の回線で利用した方がよいだろう。

ドコモのSIMを挿入して都内某所の5G対応エリアで使用し、「Speedtest by Ookla」で測定したところ。この時の通信速度は150Mbpsにとどまった

 なおSIMは、物理SIM(ナノSIM)×2+eSIMのトリプルSIM構造というかなり珍しいスタイル(ワイモバイル版はナノSIM×1のみ)。ただしすべてのSIMを同時に使える訳ではなく、実際の運用はあくまで2枚のSIMまで。具体的にはeSIMを使う場合、2つ目の物理SIMスロットが使えなくなるとのことだ。

 ちなみに今回使用した端末は発売前のものということもあって、eSIMは利用できなかった。そこで2つのSIMスロットに5G対応のSIMを挿入して使ってみたのだが、一方が5G、もう一方が4Gまでの対応となっていた。

SIMフリー版のSIMスロットはnanoSIM×2で、一方はmicroSD(最大1TB)との排他使用となる

今回使用したのは発売前のものでeSIMは利用できず。2つのスロットに5G対応SIMを挿入してみたが、5Gが利用できるのは一方だけのようだ

【まとめ】SIMフリーのミドルクラスで
FeliCa・5G対応は希少な存在

 ここまであえて触れてこなかったのだが、正直な所、OPPO Reno5 Aは、auが販売予定の「OPPO A54 5G」にかなり近い内容といえる。90Hz駆動の6.5型の液晶ディスプレーと4眼カメラを搭載し、デザインやサイズ感(OPPO A54 5Gは約75×163×8.4mm、190g)もかなり近く、約1億800万画素相当の写真が撮影できる点など機能面でも共通している部分が多い。

 一方で、OPPO A54 5Gは指紋センサーが側面にある一方、広角カメラが4800万画素でチップセットもより下のクラスの「Snapdragon 480 5G」を採用、防水・防塵やFeliCaに非対応……といった違いがある。そうしたことからOPPO Reno5 Aは、ある意味OPPO A54 5Gのアップグレード版と見ることもできるかもしれない。

 そして何よりOPPO Reno5 Aは、ミドルクラスでFeliCa、そして5Gにも対応するSIMフリー端末という意味で、現時点では非常に希少な存在となっている。実際この条件が揃っている対抗馬はシャープの「AQUOS sense5G」くらいで、価格もSIMフリー版では4万円台と共通しているのだが、性能は全体的にOPPO Reno5 Aの方が上だ。5G対応でリーズナブル、かつFeliCaが使えるSIMフリースマートフォンが欲しいという人にベストな存在であることは間違いないだろう。

「OPPO Reno5 A」の主なスペック
ディスプレー 6.5型液晶(20:9)
画面解像度 1080×2400
サイズ 約74.6×162×8.2mm
重量 約182g
CPU Snapdragon 765G(2.4GHz、オクタコア)
内蔵メモリー 6GB
内蔵ストレージ 128GB
外部ストレージ microSDXC(最大1TB)
OS Android 11(ColorOS 11)
対応バンド 5G NR:n3/n28/n77/n78
LTE:1/2/3/4/5/7/8/12/18/19
/26/28/38/39/40/41/42
W-CDMA:1/2/4/5/6/8/19
4バンドGSM
DSDV ○(5G+4G)
カメラ画素数 64メガ(標準)+8メガ(超広角)
+2メガ(マクロ)+2メガ(モノクロ)
イン:16メガ
バッテリー容量 4000mAh(18W急速充電対応)
FeliCa
防水/防塵 ○/○(IP68)
生体認証 ○(指紋、顔)
SIM nanoSIM×2(nanoSIM+eSIM)
USB端子 Type-C
イヤホン
カラバリ シルバーブラック、アイスブルー

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