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アップルイベント「春の祭典」有識者はこう見た 第5回

新iPad Pro全盛り約28万円、M1拡充でアップルは製品ジャンルの垣根をどう考えるのか?【石川 温】

2021年04月22日 12時05分更新

文● 石川 温 編集●飯島 恵里子/ASCII

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M1搭載デバイスの拡充で製品ジャンルの垣根はどうなる?

 もうひとつ注目なのがM1を搭載したiPad Proだ。パフォーマンスも大幅に向上し、もはや「タブレット」ではなく「パソコン」の位置づけになってしまった。スペックも12.9インチで容量を2TB、5G対応にすると価格が28万円近くにもなる。

 「iPadといえば高くて10万円ぐらいかな」という認識は数年前に吹っ飛び、持ち歩くのにも緊張してしまう価格帯となってしまった。

 ここで悩ましいのが、MacBook AirとiPad Pro、どちらを買うと幸せになるのか。ということだ。どちらもM1を搭載し、サクサクと仕事をこなせるだろう。

 MacBook Airは本格的なキーボードがついているが、画面をタッチしての操作はできない。しかし、複数のアプリを立ち上げ横断的に仕事ができて効率がいい。

 一方、iPad Proはタッチパネルで直感的な操作が可能。ペン入力もしやすい。iPad OSで本当に俊敏に操作できるが、複数のアプリを立ち上げて横断的に仕事をするのがちょっと苦手だ。

 結局、「どんな仕事をするのがメインになるのか」で、選ぶデバイスがきまってくるのだろうが、「キーボードで原稿を書きつつ、取材先で撮った写真を加工したり、動画の編集をする」となると、どっちを選ぶべきか本当に迷う。

 「迷ったときは両方買う」のが正義であり、すでにMacBook Proを持っている自分としてはiPad Proも購入するつもりなのだが、「同じM1チップ搭載デバイスを2種類持つのもどうなんだろうか」とちょっぴり悩ましくなる。

 ここまで来たら、MacBook Proでタッチパネルとペン入力をし、5Gで通信したくなるし、iPad ProでMacOSを使いたくなってくる。

 アップルとしてはM1搭載デバイスを増やしていくなか、こうした製品ジャンルの垣根をどのように考えているのか。今後の商品展開がとても気になる今回の発表会であった。

 

筆者紹介――石川 温氏

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)、『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。

 

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