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Web限定モデルは銘機の風格 シチズン製スマートウォッチ「Eco-Drive Riiiver」デザインに見る機能美

2021年04月01日 09時00分更新

文● 山本 敦 編集●飯島恵里子/ASCII

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ドイツ・ゼンハイザーのHi-Fiヘッドホン「HD 820」。側面には内側に向かってカーブしたガラスパネルを配置。密閉型ハウジング内部の音響効果を高めながら外観も美しく“魅せる”デザインとした

存在感が際立つWeb限定モデルのデザイン

 思えば筆者がオーディオライターとしてこれまでに取材してきたドイツのHi-Fiオーディオ機器の中にもまた、同じくシンプルな美しさを追求するミニマリスティックなデザインを特徴とするプロダクトがある。それらの中でも特に他のプロダクトと一線を画す「デザインのワンポイント」を持つ製品が、発売後に多くのオーディオファイル(Audiophile)から支持を集めて名を残すロングセラーになった。

Web限定販売のカラーバリエーションモデル「BZ7007-61E」

 Eco-Drive Riiiverシリーズで言えば、BZ7005-74Eのカラーバリエーションモデルである「BZ7007-61E」にも、銘機に化ける可能性があると筆者は思う。本機はWebストアに販路を限定するモデルだが、実物を手にしてみるとその存在感が際立っていることがわかる。

 艶っぽいダークグレーのステンレスケースに、鮮やかなメタリックレッドのボタンがアクセントを効かせている。時針はイエロー、分針はグリーン。サブダイヤルの針とiiideaの実行状況を知らせるステータス表示の文字をレッドに揃えた。原色のパーツで軽やかなリズムを持たせながら、全体にエレガントな気品が漂うルックスにまとめ上げた。色づかいのバランス感覚が絶妙だと思う。

メタル素材の質感を活かしながらワンポイントとして置いた原色が冴える

 プロダクトデザインの統一感が崩れない理由は、Eco-Drive Riiiverのユーザーに正確な時刻とiiideaの操作結果を知らせることを最優先とした機能美がここにあるからだ。ケースとバンドは金属素材の質感と力強さを引き出せる色としたことで土台に安定感が生まれる。ビジネスからカジュアルまで様々なスタイルの装いにさりげなくフィットしながらオーナーの個性を引き立ててくれる。

Riiiverの魅力を深く知るために欠かせないEco-Drive Riiiver

 2020年の秋にはiPhoneにApple Watch、AndroidスマホからRiiiverに対応する様々なサービスにアクセスできるモバイルアプリ「iiidea Player」がシチズンからリリースされた。アプリの誕生により誰もが手軽にRiiiverの世界観に触れて、自身のライフスタイルをカスタマイズできるIoTプラットフォームの魅力を体験できるようになった。

 だが、Riiiverの真価を知るためには、やはりスマートウォッチのEco-Drive Riiiverを体験する必要があると思う。

 例えばボタン操作によりiiideaを実行した後に、ふたつの針が動いて知らせる情報は、たとえ誰かにのぞき見られても内容はユーザーにしかわからないなど、秘匿性の高いインターフェースを備えていることが、ほかのスマートウォッチにはないEco-Drive Riiiverの特長であることが見えてくるからだ。

 今後もRiiiverのエコシステムに賛同するパートナーが増えて、Eco-Drive Riiiverから操作できるデバイスや対応するサービスの輪が広がるだろう。スマートウォッチを中心に成長を続ける新しいIoTプラットフォームのダイナミズムをぜひ手もとに感じてほしい。

 

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