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Web限定モデルは銘機の風格 シチズン製スマートウォッチ「Eco-Drive Riiiver」デザインに見る機能美

2021年04月01日 09時00分更新

文● 山本 敦 編集●飯島恵里子/ASCII

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ユーザーがバンドのフィットを調整できる機構を備える

むやみな装飾性を持たないデザインには意味がある

 異彩を放つシチズンのスマートウォッチ、Eco-Drive Riiiverのラインナップには現在3種類のデザインが異なるシリーズと、それぞれのカラーバリエーションが発売されている。

 シリーズの原点とも呼ぶべきモデルは、ステンレスのケースとメタルメッシュバンドを組み合わせた「BZ70005-74E」とそのカラーバリエーションだ。ケースサイズは43.2mm。ユーザーが簡単にバンドのフィット調整を変えられる機構を備えているため、男女を問わず多くのユーザーが楽しめる。

Eco-Drive Riiiverの第1弾シリーズから「BZ70005-74E」

 筆者はEco-Drive Riiiverシリーズの中でも、このBZ70005-74Eをベースにしたバリエーションモデルのプロダクトデザインが特に好きだ。それはアナログ腕時計が必要とする機能性とデジタルガジェットとしての遊び心、そしてオーナーが長く愛着を持ちながら使える高級感のバランスが見事に釣り合っていると感じるからだ。

 Eco-Drive Riiiverシリーズは文字盤の針だけでユーザーが必要とするIoTサービスの情報を指し示しながら伝える。無駄な装飾の一切を廃したフラットな文字盤に鮮やかな原色に彩られた3色の針が映える。

 シリーズのBZ70005-74Eをベースにしたモデルは、iiideaのアクションを実行した結果がひと目でユーザーに伝わるように時針・分針の長さをあえて等しくしている。加えてBZ70005-74Eの場合、深いジェットブラックのステンレスケースに鮮やかなレッドの時針とブルーの分針、サブダイヤルの針はイエロー、そしてサブダイヤルに色を合わせたボタンを右下に置いてそれぞれの果たす役割を明確に示せるように配色した。

 むやみな装飾を避けてピュアに機能美を追求する本機のデザインコンセプトには、今から100年前にドイツで設立された芸術学校バウハウスの先人たちが追求してきた機能美を垣間見てしまう。

Citizen Eco-Drive RiiiverアプリからRiiiverのプラットフォームに接続。iiideaをダウンロードしてウォッチによる体験をカスタマイズできる

 Eco-Drive Riiiverシリーズはどのモデルも風防越しの文字盤に華美な装飾を持たず、時を知らせるインデックスの数字もあえて小さく控えめに配置した。ボタンを押すと針が小気味よく回り、iiideaの実行結果を知らせてくれる。

 針の動きを目で追いかけている間、視界に不必要な情報が飛び込んでこないように文字盤は極めてプレーンなデザインとした。iiideaを何度か繰り返し走らせると、この「意味を持つ余白」の大切さに誰もが気付くはずだ。

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