S660を買わない選択肢はない!
今買うならVersion Z一択だ!
誰もが普段乗りもサーキット走行も楽しめるS660。そんな素敵な「僕たちサイズ」のHonda製スポーツカーを手に入れられるのは、あと1年しかないわけです。どうせ生産完了後出てくるでしょ? と思いたいところですが、先代にあたるHonda「BEAT」は1996年に生産完了し、S660が出るまで20年近くの時間が空いています。さらにカーボンニュートラルをはじめ、クルマに関する社会情勢を考えると、新型車を出すのは難しいと言わざるを得ません。もし出たとしても、冒頭に触れた安全基準を適合させるため、価格も現行より高額になることでしょう。
しかも脱炭素の流れですから、ハイブリッド車かS660の前身ともいえる「第42回東京モーターショー2011」で発表されたコンセプトカー「EV-STER」のような電動車になる可能性も。電動車はマニュアルトランスミッションが不要ですから、僕らサイズのマニュアルミッション搭載スポーツカーは、このS660が最後になると思った方がよさそう。となると他社の同様のクルマに目を向けるのですが、「あちら」はFFゆえかS660のような自分を中心とする動きはしません。「こちら」はFRでトランクもあるけれど、クルマのサイズが大きいですから一体感が減りますし、なにより年に一度納める自動車税も高い。と考えると、S660を選ばないという選択肢は存在しないと思うのです。
それではノーマルのS660を選ぶべきか、それともS660 Modulo X Version Zにするべきか。ここは100万円という大幅な予算オーバーであっても、S660 Modulo X Version Zを選ぶべきだと断言しましょう。買って反省、買わずに後悔とはよく言ったもので、「あの時に買っておけばよかった」と大号泣しても遅いのです。なら買って反省をして、しばらく節約生活を頑張るのが吉というもの。
さらに下世話ですが、最終バージョンということもあり、販売終了後のリセールバリューを考えてもS660 Modulo X Version Zを選ぶべき。もちろん、前出の通り走りは一級品の上を行く天下逸品ですから、走りを楽しめてリセールバリューもある。言う事ナシです。
S660 Modulo X Version Zにすべき! というのは、車検が近いS660オーナーでも同じこと。楽しい思い出がつまった愛車との別れはツライですが、色々といじったりS660に乗り続けた人ほど、S660 Modulo Xの完成度に驚かれるのではないでしょうか。筆者もお金があれば、問答無用でS660 Modulo X Version Zに乗り換えたい! コロナ禍が早く収束し、仕事量が元に戻り収入が増えれば……と、夜な夜なボヤきながらソロバンをはじいています。
買い替えで出てきた中古のS660をベースに
Moduloカスタマイズもアリ!
一方で、買い替えで出てきた中古のS660を買い求め、Moduloパーツを組み込んで、時折サーキット走行を楽しむのもアリだとも。実際、生産完了発表から中古市場からS660はどんどん減っていっているようです。そんな中古のS660を手に入れ、Moduloのサスペンションやホイールなどを追加すれば、サーキット走行でも、怖さがなく楽しめるハズ。
この日の試乗会には、ホンダアクセスが過去に出したNSX、BEAT、S2000の20周年記念アイテム装着車が勢ぞろいしていました。ということは、きっと誕生20年後の2035年には、S660 20th Anniversaryのアイテムが出るのかも? という期待を抱いてしまいます。いやいや、その前にModulo Xで得た知見を元に、昔からのユーザーを救うべく新アイテムを出してもらいたいところ。個人的には、Modulo Xで最も減衰力設定を弱めた状態と同じ位にソフトな街乗り~ワインディング用しなやかサスペンションをお願いしたいです。歳を取ると硬い乗り心地のクルマってツライんですよ。
あとシートヒーター付きフルバケットシートは、ぜひともお願いしたい。スポーツ走行を一層楽しむには、クルマと一体感が得られるフルバケットはマストアイテム。他社のフルバケットは、内張りと接触してコーナーの度にギシギシと音がするんです(筆者の環境では)。だからぜひ! ぜひ!
そして初期型に乗っている方は、NeoClassicの存在も忘れてはいけません。というのも、NeoClassicへの換装は初期型しか対応できない特権だから。それゆえに初期型に乗っている筆者としては、ボディーがボロボロになったり、ヤンチャな走りをしなくなったら、NeoClassic化してのんびり楽しみたいと思っていたりもします。キャンディレッドのNeoClassicに乗るおじいちゃん、カッコイイじゃありませんか? その時のためにも、ソフトなサスペンションをお願いしたいところ。この見た目で硬い乗り心地は合わないですから。
この項の最後として、S660に興味を抱かれた方は一度、Twitterなどで「S660」と検索してみてください。そこには、多くのオーナーによる楽しいカーライフが語られているハズです。これこそがS660は人を幸せにしてくれるクルマである何よりの証拠ではないでしょうか。貴方がオーナーになられ、S660とのカーライフを楽しまれる日を、オーナー達は皆、心待ちしています。