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PCIeへの移行が進むSSD市場で存在感を発揮する、XPGブランドのSSDラインアップを整理&レビュー

文● 鈴木雅暢 編集● ASCII

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すっかり買いやすくなったPCI Express対応のSSD
その中でも人気の一角を占めるADATA「XPG」ブランドの製品

 SSDがPCストレージの主役になってから久しいが、最近ではM.2フォームファクターが定着。インターフェースもSerial ATAからPCI Express(NVMe)への移行が進んでいる。

 PCI Express 3.0の2倍の転送速度をもつPCI Express 4.0に対応した製品が増える一方、昨年後半からはPCI Express SSDの価格下落が顕著で、製品によってはSerial ATAの製品とあまり変わらない値段で買えるようになってきている。

 そんな市場の中で安定した人気を誇るのがADATAのゲーミングブランド「XPG」のSSD。最新のPCI Express 4.0対応モデルや光るSSDなど、性能や価格帯など特徴が異なる多彩なモデルをラインアップ。ADATAは半導体メモリー製品で長年の実績があるメーカーだけに安心感も高い。今回はXPGブランドの人気SSDを紹介していこう。

競争の激しいSSD市場で存在感を増しているXPGのSSD。半導体メモリーで実績があるADATAのゲーミングブランドだ

SSD選びのポイントをあらためて紹介

 SSD選びの主要ポイントは、容量、性能、耐久性(保証期間)。容量に関しては、言うに及ばず、使い方と予算次第。最近は外付けのインターフェースも高速なので、予算的に無理して大容量を選ぶことはしなくていいだろう。どのくらい使うか、よくわからないという人は、今ならば容量あたりの単価が安い1TBをオススメする。

 性能については、ビジネス中心の一般用途であれば、SSDという時点で十分快適に使える。OSやアプリの起動、ウェブブラウジングなどの日常操作で体感性能にもっとも効くのはランダムリード性能で、SSDである時点でHDDの数十倍の性能がある。

 一般的に最も高い性能を要求するのはクリエイティブ。大容量の素材を扱ううえ、仮想ドライブとしても使用されるため、シーケンシャルリード/ライト、ランダムリード/ライトともに高速で耐久性にも優れたモデルがおすすめだ。

定番ベンチマークテストであるCrystalDiskMark 8.0.1(ひよひよ氏・作)の画面。クライアントPCの快適度としては、特に最上段のシーケンシャルリード(左)/ライト(右)、最下段左のランダム4Kのリードが参考になる。ちなみに、この画面は2.5インチHDDの測定結果

 ゲーム用途では大容量データを読み書きする機会が多いと思われる。シーケンシャルリード/ライト性能が高いモデルだとより快適に使えるだろう。CPU、ビデオカードを含めて高い負荷が長時間かかりシステム内部の温度が高くなる傾向があるため、冷却はしっかりしたいところだ。

安定した性能が出せることはもちろん
ビジュアル面の付加価値もあるヒートシンク

 もう1つ、SSD選びのポイントとして忘れてはならないのがヒートシンクだ。PCI Express SSDは発熱量が多いために効率の良い冷却が必須。標準でヒートシンクが付いていると安心だが、最近の多くのマザーボードにはM.2 SSD用ヒートシンクが用意されており、それを利用したい場合はSSD側のヒートシンクは不要だ。

 また、ノートPCもボディーをヒートシンクとして使えるようにレイアウトを最適化するなど、素の状態で搭載することを前提にした(ヒートシンクがあるとスペースに収まらない)製品がある。

XPG SX8200 ProやXPG SX6000 Proは、標準ではヒートシンクレスだが、パッケージにヒートシンクを同梱している

 すでに装着してあるヒートシンクを外すとメーカー保証対象外になる製品もあるし、ヒートシンクを外す過程でトラブルが起きる可能性がある。ヒートシンクなしで運用するならば、ヒートシンクがない製品、あるいは後述するXPG SXシリーズのようにヒートシンクが装着されておらず同梱されているタイプの製品が良い。

 サイズや形状の自由度がほぼないM.2 SSDにとって、ヒートシンクはビジュアル的な付加価値を上乗せできる要素でもある。機能的に必要か不要かだけでなく、ビジュアルで選ぶのも十分アリだろう。

正統派のGAMMIX、光るSPECTRIX、ノートPCにも最適なSX

 XPGブランドのSSDラインナップには、王道ゲーミングモデルのGAMMIX、RGB LEDで光るSPECTRIX、シンプルなヒートシンクレスのSXとそれぞれ特徴が異なるシリーズがあり、最新のPCI Express 4.0対応SSDから低価格のベーシックなSSDまで、さまざまな仕様のSSDを用意している。今回はこの中から売れ線の人気モデルを取り上げて紹介しつつ、ベンチマークテストの結果も合わせて掲載する。

XPG SSDの公式サイト。3シリーズ10種類のラインナップで、それぞれ豊富な容量バリエーションを用意している

今回テストに用いたSSDの主要スペック

  SX8200 Pro
(1TB)
GAMMIX S50
Lite(1TB)
SPECTRIX
S20G(500GB)
SX6000 Pro
(1TB)
インターフェース PCIe 3.0x4 PCIe 4.0x4 PCIe 3.0x4 PCIe 3.0x4
NANDフラッシュ 3D TLC 3D 3D 3D
DRAMキャッシュ 搭載 搭載 非搭載(HMB) 非搭載(HMB)
SLCキャッシュ 搭載 搭載 搭載 搭載
シーケンシャルリード 3500MB/s 3900MB/s 2500MB/s 2100MB/s
シーケンシャルライト 3000MB/s 3200MB/s 1800MB/s 1500MB/s
最大ランダムリードIOPS 390K 380K 160K 250K
最大ランダムライトIOPS 380K 540K 170K 240K
ヒートシンク 付属 装着 装着 付属
TBW 640TB 740TB 300TB 600TB
保証期間 5年間 5年間 5年間 5年間
その他の容量 256GB、512GB、2TB 2TB 1TB 256GB、512GB、2TB

ベンチマークテストに利用したテスト環境

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