今売れ筋のDDR4-3200対応メモリー 最近のメモリー事情を整理しつつ、お手頃価格のXPG製品をテスト
PCの基本パーツであるメモリー。地味ではあるが、PCシステムを安定して快適に使うには欠かせない存在だ。今回は自作PC向けのメモリー選びのポイントを考えつつ、XPG製品のテストも実施している。
イマドキの自作PC用のメモリー選びのポイント
今から新しくPCを自作する前提で、メモリーを選ぶ場合のポイントはざっと挙げると以下のようになる。
●対応規格(速度)
使用するCPUとマザーボードにあったもの
●規格がネイティブ対応かXMPか
XMPは設定が必要
●CL
数字が小さいほうが速い
●容量
使い方次第だが、最低16GB(8GB×2枚)以上を推奨
●ヒートシンク
見た目、高さ、放熱性能
実際のところ、自作PCの構成を考えるときにメモリーから考えるという人はほとんどいないだろう。まずは用途や目的をイメージしてCPUやGPUを決め、それが使えるマザーボードを選び、メモリーはその次というのがセオリーだ。
そして、CPUがインテルでもAMDでも、現行システムのメモリー規格はDDR4に一本化されているので、どちらの場合もDDR4メモリーを選ぶことになる。DDR4の中でどの規格(速度)を買うかということになるが、これも現在の主流であり、インテル/AMD両方のメインストリームで公式サポートされているDDR4-3200(PC4-25600)が最有力だ。
メモリー速度の要素には、CL(CAS Latency)もある。これはメモリーのレイテンシを示す数字。CL20なら、リードコマンドの20クロック後にデータを読めることを示す。CLの後に他のタイミングを続けて「20-20-20」などと表示されることもある。
XMPメモリーではUEFIで設定する
さて、DDR4-3200/PC4-25600メモリーモジュールは、いわゆるネイティブメモリーとXMPメモリーの2種類がある。
ネイティブメモリーとは、チップの定格動作がDDR4-3200(3200MT/s)であるメモリーのこと。動作電圧は1.2Vだ。レイテンシはCL22(22-22-22)が標準的だ。 XMPメモリーの場合は、モジュールメーカーがチップをオーバークロックして動作させている。同じDDR4-3200であってもレイテンシは低く(速い)性能面では優位があるが、動作電圧は1.35Vの製品が多い。
なお、XMP(eXtreme Memory Profile)とは、メモリーの定格とは別の設定を格納するための拡張プロファイルのこと。XMPに対応したメモリーは、このプロファイルを読み出す操作だけで、動作電圧やレイテンシなど最適な高速動作のパラメーターの設定ができる。
逆に言えば、この拡張プロファイルを読み出す作業をしない場合は、メモリーチップの定格で動作するため、本来のパフォーマンスを発揮できない。簡単な作業ではあるが、忘れないようにしておきたい。
容量は少なくとも16GB以上、2枚1組で利用するのが基本
メモリー容量が不足するとストレージへのアクセスが増えてシステムのレスポンスが低下するのである程度は余裕がほしい。ただ、多ければ多いほど速くなるというものでもなく、頻繁に不足するようなことがなければいい。現在の状況であれば、16GBが最低ライン。ゲームプレイと配信を同時にしたり、写真のRAW現像や動画編集をするならばあらかじめ32GB以上にすることを考えたい。
なお、メモリーは2枚1組で使うことが基本だ。CPUのメモリーコントローラーが2系統のメモリーバスを同時に使う「デュアルチャンネルアクセス」に対応しており、その性能を発揮するためには最低2本のメモリーが必要なためだ。
高速化によりタイミングがシビアになっているだけに、デュアルチャンネルアクセスで利用するメモリーはできるだけ同じブランドの同じモデル、同じロットで統一したい。多くの製品は2枚1組で販売されているので、それを買うのがベストだろう。
ヒートスプレッダは背の高さに注意にしたい
ヒートスプレッダの仕様もメモリー選びのポイントの1つ。必ずしも必須というわけではないが、放熱効率を高める効果、基板や実装部品を保護する効果もあるし、デザインやARGB LEDで光る演出を備えた製品もある。
注意したいのはヒートスプレッダの高さ。背の高いヒートスプレッダを搭載したメモリーだと、位置的に空冷の大型クーラーと干渉しやすいので、それぞれサイズを確認しておいたほうが良い。
XPGの売れ筋DDR4メモリー2製品を紹介
今回は売れ筋のDDR4メモリーとして「XPG Hunter U-DIMM DDR4」、「GAMMIX D20 DDR4」の2製品を用意した。
XPG Hunter U-DIMM DDR4は、シンプルなプレート型のヒートスプレッダを装着したメモリーだ。DDR4-3200(PC4-25600)対応で、アクセスタイミングは16-20-20と、DDR4-3200のネイティブメモリー(22-22-22)より高速で、XMPプロファイルをロードすれば自動的に高速な設定が適用される。16GB(8GB×2)で9000円弱とブランド品の低レイテンシモデルながらDDR4-3200最安クラスの価格で買えるコストパフォーマンスが魅力だ。
一方、GAMMIX D20 DDR4は、より凝ったデザインのヒートスプレッダを搭載したワンランク上のモデルだ。ヒートスプレッダの影響で、Hunterに比べて高さが1mm増しているが、干渉が気になるほどではない。
DDR4-3200(PC4-25600)対応で、アクセスタイミングは16-20-20と、スペックはHunterと同じだが、最速モデルだとDDR4-4133対応製品もラインアップするシリーズだけあって、より高い周波数での動作を想定した基板設計や放熱設計を採用している。見た目にもやはりワンランク上の高級感を感じる。
Hunter DDR4 U-DIMM | GAMMIX D20 DDR4 | |
---|---|---|
スピード | DDR4-3200 | DDR4-3200 |
レイテンシ | CL16-20-20 | CL16-20-20 |
動作電圧 | 1.35V | 1.35V |
XMP | XMP 2.0 | XMP 2.0 |
サイズ | 133.35×33×7.5mm | 133.35×34×6.5mm |
保証期間 | 永久保証 | 永久保証 |
低レイテンシ高コスパなDDR4
「XPG Hunter U-DIMM DDR4-3200」8GB×2
実売価格:約9000円
CL16の低レイテンシモデルながらDDR4-3200最安クラスの価格で買える高コスパな製品。シンプルなプレート型のヒートスプレッダを装着している。
ワンランク上の高品質メモリー
「GAMMIX D20 DDR4-3200」8GB×2
実売価格:約1万4000円
クールなデザインのヒートスプレッダを搭載するワンランク上の高品質メモリー。CL16の低レイテンシ仕様で、XMPにより簡単に高速動作設定ができる。