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ハニーポット、課金、パワポカラオケ、LINE API、パートナーあるある話まで1日どっぷり

オンライン開催の「JAWS DAYS 2021」でre:Connectしてきた(シゲモリ編)

2021年03月23日 09時30分更新

文● 重森大 編集●大谷イビサ

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普段は聞けない、パートナーのあるある話を楽しむ

 最後の時間枠の中から筆者が選んだのは、「Japan APN Ambassadorsが語り尽くすパネル AWSパートナーの普段聞けないあるある話」と題したパネルディスカッション形式のセッション。パネリストとして参加したのは、NECソリューションイノベータの田中 拓摩さん、ターン・アンド・フロンティアの富松 広太さん、クラスメソッドの濱田 孝治さん、日立システムズの藤巻 雄裕さん。モデレータを務めたのは、アマゾン ウェブ サービス ジャパンの江口 智さんだ。

 ちなみに題名にもある「APN」とはAWS Partner Networkの略で、つまりAWSのパートナーのコミュニティという意味だ。その中から、卓越した技術力を持つ人物をAPN Ambassadorとして選出しており、日本には19人いるという。

APN Ambassador4名を集めたパネルディスカッション

 最初のお題は、どうやってスキルを身につけていったのか?というもの。ここでは全員が、手を動かすのが一番だと答えた。注目を集めたのは、田中さんの発言だ。

「会社では手を動かして、通勤時間には書籍やブログを読んで座学を。リモートワークで通勤時間がなくなってからは、お風呂の時間を勉強に充てています」(田中さん)

 他のパネリストからは、その熱心さに驚く声が相次いだ。手を動かすことも重要だが、アップデート頻度が高いAWSを学ぶには、座学は欠かせないものだ。そして、そのキャッチアップ方法にもそれぞれの性格が表れる。手法はそれぞれだが、新しい情報に触れる努力はみな怠っていない。

「最新情報にキャッチアップするために、英語の公式サイトのRSSを購読しています」(藤巻さん)

「全部拾うのは諦めました。実際の案件で使うものに集中して、それ以外はそれぞれの分野に強い人のツイートを見て知ることが多いですね」(濱田さん)

 やがて、社内のエンジニア育成へと話題は移った。特に時間を割いて語り合ったのが、学習用環境の構築について。

「うちはエンジニアが7人くらいしかいないので、1人1アカウント持っていて、好きに使わせてもらえます。余り使いすぎると怒られますけど」(富松さん)

 この発言に「怒られるっていくらくらい?」と反応したのが濱田さん。

「100ドルとか使うと怒られますね」(富松さん)

「うちは50ドルが目安です」(濱田さん)

 このあたりの感覚も、会社により違う模様。しかしこんな生々しい話、オープンにしていいのかな。聞く方は楽しいけど。ほかにも、学習用環境は1人1アカウントが原則だとか、アカウントを共用するのであればリージョンを分けるといいなどと現場ならではのノウハウが出てくる。

「うちでは学習用環境を作って、希望者に1ヵ月使えるアカウントを払い出しています。AWS OrganizationsのSCPを使って単価の高いインスタンスを停めたり、ConfigとSystems Managerドキュメントを使ってフルオープンなセキュリティグループを作ったら強制的にDestroyするとかしています。CloudFormationを使って、アカウントは1ヵ月で消しています」(藤巻さん)

 全員が「そのルールとSCP公開してほしい!」と声をあげたが、なんとすでにQiitaで公開されていたのだった。

 そこから話題は、AWS Organizationsの全能感が楽しいという話や、検証環境のアカウントが1ヵ月で削除されるなど自動化されているのが素晴らしいという話に。そして最後は、藤巻さんが次のように語って締めくくった。

「どれくらい使っているかのチェックも大切ですよね。検証環境の消し忘れなどもありますし。でもそれを経験するのも勉強だと思います。消し忘れるとこういう痛い目を見るんだぞって、そういうのを、私は年末にやりました。Macインスタンスが出たからブログを書くぞって立ち上げて放置してたら個人アカウントに500ドル課金されてて……。最低1日で、1日後に消そうと思っていて忘れました」(藤巻さん)

 個人アカウントでそのミスは痛い!と全員が消し忘れをなくそうと心に決め、パネルディスカッションは終了。その後、山口 正徳実行委員長の〆の言葉を経て、JAWS DAYS 2021も閉会した。おつかれさまでした!

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