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今年のJAWS DAYSはコミュニティの次を見据えた実験場だ

いよいよ土曜日!チャレンジ満載だから「JAWS DAYS 2021」は見逃せない

2021年03月18日 07時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 「JAWS DAYS 2021」の開催がいよいよ今週末の土曜日3月20日に迫った。毎年、直前の告知記事ではタイムテーブルから見どころをお伝えするのだが、発表会のレポートを既出した今回は、登壇者の立場から見たJAWS DAYS 2021のチャレンジについて見ていきたい。

re:Connectを掲げたJAWS DAYS 2021

オンラインの限界を知り、オンラインの可能性に賭ける

 今年もJAWS DAYSがやってくる。新型コロナウイルスの影響でリアル開催からオンライン開催に切り替わった昨年と異なり、今回は当初からオンライン前提に企画を進めてきた。毎年、告知記事で書いているようなイベントの内容に関しては、事前に行なわれた発表会のレポートをご覧いただきたい(関連記事:目指せ1万人!オンラインの可能性を追求する「JAWS DAYS 2021」3月20日開催)。ここで書きたいのは、まさに記事で取り上げたオンラインの可能性を拡げるチャレンジについてである。

 個人的には、現時点でのITエンジニア界隈では、オンラインイベントのイメージは決してよくないと思っている。少なくとも、評価は大きく分かれているだろう。新型コロナウイルスの影響で一気に普及したオンラインイベントだが、配信型のイベントは一方通行で視聴者が参加できないテレビ番組に近いものなので、リアルイベントのような参加者同士の交流は難しい。当初は物珍しさで「リアルイベントより歩留まりよい」という声もあったが、早くリアルに戻りたいという声も多い。特にITエンジニアはもとよりマシンさえあればある程度仕事ができるので、イベントにでも行かなければ、人とリアルにふれあう機会は本当になくなってしまう。

 そして、リアルイベントの不在で起こりうるコミュニティのネガティブな未来について指摘したのが、昨年10月に公開されたライター重森大さんの「イベントオンライン化の功罪と、この先について語ろう」である。長らく現地での取材にこだわってきた重森さんから見て、オンラインイベント全盛の今は失うものの方が多く見えるようだ。「いまは絆の貯金を食い潰していっているに過ぎない」や「オフラインでの集まりがなければ地方コミュニティは死ぬ」といった刺激的な見出しが続くこの記事は、ITエンジニア以外からも多くの共感を得た。

 イントロが長くなったが、今回JAWS DAYS 2021が目指している「re:Connect」もこの危機感に立脚しているように思える。このままずっとイベントがオンラインで開催されていたら、いつか人脈の貯金を使い果たし、新しい人が入らず、コミュニティはなくなってしまうかもしれない。毎年、習慣的にやっていた盆踊り大会が新型コロナウイルスでいってん中止になったら、「実はみんな辞めたいと思っていた」ということで次年度以降やらなくなってしまうようなことも起こりうる。地方に多くの支部を持つJAWS-UGのメンバーも、この危機感を共有しているのではないだろうか?

 一方で、オンラインイベントは数多くのメリットがある。なにより距離的な制約がないので、家からでも、外出先からでも、どんなデバイスからでも、ネットさえあれば容易に参加できる。特に首都圏偏重のIT業界の中で、地方メンバーが気軽にイベントに参加できるというのは、非常に大きいと思われる。オンライン前提で好きなときに参加できる自由さもオンラインならでは。この先、どうせオンラインが当たり前になっていくのなら、ポジティブとらえて、新しいチャレンジをしていこうというJAWS DAYSの方向性に私は全面的に賛同する。

運営メンバーの気合いを感じるJAWS DAYSの舞台裏

 その点、JAWS DAYS 2021はリアルイベントで得られた体験を可能な限り再現しつつ、さらにオンラインならではのメリットを最大限に引き出す実験と位置づけられる。昨年行なわれた24時間越えのJAWSイベント「JAWS SONIC & MIDNIGHT JAWS」の経験とノウハウを活かし、運営メンバーはすさまじい気合いでそのチャレンジに挑んでいる。その一端をご紹介しよう。

 先日、登壇者の私の元に運営から送られてきたのは、テレカン用のヘッドセットだ。指せばすぐに使える有線のヘッドセットで、音質的にも評価の高いゼンハイザー製ということで私はいたく感激した。これがオンラインイベントの体験を大きく左右する音質の向上に役立つのは間違いないが、コミュニティイベントの運営からヘッドセットを送ってくるなんて聞いたことがない。そして昨日届いたTシャツのバックプリントは、オフラインで再び会って肩組んだときに文字がつながるようになるデザインだという。運営メンバーは着実に世代交代しているJAWS-UGだが、こういうこだわりを昔から持っているのだ。

テレカン用のヘッドセットが送られてきた

 運営から配布された登壇者ガイドラインも素晴らしい出来で、当日の動き方やタイムテーブルはもちろん、スライドの文字の大きさ、映り方、明るさの設定、著作物の扱い、通知音まで細かに説明されている。もとよりJAWS-UGは学びと経験を活かすカルチャーが根付いているが、毎年洗練されていており、今年も安心して登壇できる。

オンラインならではの新しい体験とコミュニケーションに期待

 視聴者向けのホスピタリティも素晴らしい。ヘルプドキュメントや視聴テストページの充実ぶりを見ただろうか。今回取り入れられる「oVice」を用いたコミュニケーションも、なかなか面白そうだ。バーチャルスペースで気軽に音声・映像のやりとりができるのだが、事前に使った限り、使い方にややコツがあるので、当日行なわれるツアーやアトラクションを聞いておくとよい。Ask The Speakerで登壇者とコミュニケーションがとりやすくなるので、楽しく活用したい。

今年はoViceを使ったコミュニケーションが楽しみ

 また、JAWS SONIC & MIDNIGHT JAWSの真夜中枠だった「ピタゴラスイッチ選手系」(旧称:クラウド大運動会)や「クラウドパワポカラオケ選手権」もゴールデン枠(?)に昇格し、「チーム対抗提案コンペ」「AWSトリビアクイズ」などの参加型イベントも行なわれる。技術に詳しくない人でも楽しめるのは確実だ。

 今回のJAWS DAYS 2021は「学ぶ」という勉強会の基本を押さえつつ、オンラインならではの新しい体験やコミュニケーションを得られるイベントだ。その意味では、そもそもJAWS-UGやAWSにあまり明るくなくとも、参加して得られるものは大きいと思う。当日は「『JAWS DAYSで人生変わった』は本当か? - 今日参加したキミが次は登壇したくなるパネル -」というパネルに登壇するので、ぜひご参加を。そして、Ask the Speakerでぜひイベントの感想を聞かせてくださいね。

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