このページの本文へ

AWSジャパンが2021年の事業戦略説明会を開催

東京リージョン開設から10年 AWSが大阪リージョンを正式オープン

2021年03月02日 18時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 2021年3月2日、アマゾン ウェブ サービス ジャパンは2021年度の事業戦略説明会を開催。2020年度の実績や大阪リージョンの正式オープンを発表したほか、クラウド移行や人材教育への注力をアピールした。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン代表取締役社長 長崎忠雄氏

価値創造に集中できるクラウドの真価が活きた2020年

 登壇したアマゾン ウェブ サービス ジャパン代表取締役社長の長崎忠雄氏は、今からちょうど10年前の3月2日にAWS東京リージョンが開設されたことをアピール。東京リージョン開設から10年を経て、AWSの国内のユーザーは数十万、パートナーは数百に成長し、JAWS-UGの登録者数もすでに4万8000人を超えるという。

 そして、コロナ禍に見舞われた2020年について、長崎氏は「急激で非連続な変化の1年だった。だが、進化するチャンスを与えてくれた。こうした変化の激しい時代こそ、価値創造に集中できるクラウドの真価が生きる」と語る。また、具体的な価値としては、スモールスタートで必要なときに必要な分だけ使え、実装までの時間を短縮できることを挙げ、2つのユーザー事例を紹介した。

 1つめはIQVIAジャパン、慶應義塾大学医療政策・管理学教室、LINEが共同で取り組んだ「LINEパーソナルサポートプロジェクト」。これはビッグデータとLINEアカウントを活用して、新型コロナウイルスの感染を防ぐ自治体の仕組みで、ローンチまでわずか2週間で実現した。運用負荷を軽減し、ニーズに柔軟に対応するため、サーバーレスアーキテクチャを採用しつつ、担当者の可視化にはBIツールの「QuickSight」を導入したという。

「LINEパーソナルサポートプロジェクト」ではサーバーレスとQuickSightを採用

 2つめはサイバーエージェントとLDHの合弁会社であるCyber LDHの映像配信サービス「CL」。昨年6月に立ち上げられたCLは、コロナ禍においてもアーティストが主体的に柔軟にライブ配信を行なえるほか、コメント機能で視聴者が双方向にコミュニケーションをとることができる。こちらもAmazon Elemental Media Servicesを用いることで、5人のエンジニアのみで複数の配信要件を満たしたライブ配信を実現したという。

 こうした事例に加えて、長崎氏はコロナ禍においてはラーニングの分野が大きく伸びた点をアピール。日本での年間トレーニング受講者数は10万人を超え、AWS認定資格者も昨年比で57%増になったという。

大阪リージョンがいよいよ正式オープン

 続いて2021年の戦略について説明した長崎氏は、同日3月2日に大阪リージョン(AWSアジアパシフィック(大阪)リージョン)の正式オープンを発表した。大阪は2018年にローカルリージョンとしてスタートしていたが、昨年フルリージョンとして拡張されることが発表されていた(関連記事:2021年に大阪のAWSリージョンがフルスペック化 ソニー銀行も活用)。

正式オープンとなった大阪リージョン

 国内で2拠点目、アジア太平洋地域で9拠点目となる大阪リージョンは3つのAZ(Availability Zone)構成で高い可用性を実現。関西圏のユーザーが低遅延でサービスを利用できるだけでなく、東京リージョンとの組み合わせでミッションクリティカルなワークロードや基幹システムを2つの異なる箇所で稼働させることも可能になるという。

 フルリージョン化されることで、オンデマンドインスタンスやSaving Plansなどの適用も可能。ローカルリージョン時に必要だった事前申し込みや審査も不要で、すべてのユーザーが利用可能になっている。

 また、大阪リージョンを利用している企業として、ベルシステム24、近畿大学、ナブテスコ、NTT東日本、三菱UFJ銀行、Sansan、ソニー銀行などの社名も挙げられた。さらにデジタル改革担当大臣の平井卓也氏のビデオメッセージも披露。平井氏は、大阪リージョンの正式オープンに祝辞を送るとともに、国が進める「クラウドバイデフォルト」の原則や、9月に創設されるデジタル庁への取り組みを説明し、国民の理解と協力を求めた。

デジタル改革担当大臣 平井卓也氏からのビデオメッセージも披露

クラウド移行と人材教育にも注力

 続いて長崎氏は、クラウド移行を加速させる顧客支援体制の強化についても言及。大規模なクラウド移行に取り組む顧客や組織を支援する「AWS Migration Acceleration Program」の強化、オンラインで活発に開催されているExective Briefing Center、自己資金型・ブートストラップ型のスタートアップ支援策「AWS Activate Founders」、ダイワボウ情報システムとのパートナー契約施策などについて説明し、「お客さまと併走しながら、クラウドジャーニーを支えていく」とアピールした。

 注力ポイントとして、クラウド人材の育成についても説明。2025年までに年間で40%以上増加すると言われるクラウド設計スキルを学ぶ環境を実現すべく、Amazonは2025年までに世界中で2900万人の人々に無償でクラウドのトレーニングを実施するという。日本においては、クラウドを教えられる人材育成を実現する「AWS Academy」のプログラムの加盟校は2018年から5倍になり、社会人の職業能力開発総合大学でのAWS Academyや「AWS Educate」の活用が開始されたという。

 なお、昨年オンラインで開催された「AWS SUMMIT ONLINE」だが、今年も5月11日・12日にオンラインで行なわれる。150以上のセッションとハンズオンが用意される予定で、3月9日にサイトがオープンするという。

■関連サイト

カテゴリートップへ

ピックアップ