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JEITA統計から、テレワークに加え、GIGAスクール構想の影響が色濃く

パソコンが過去最高に売れている? Windows 7特需の昨年を大きく上回る実績

2021年02月23日 14時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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ノートPCの構成比が増える一方で、平均単価は大幅に下落

 もうひとつ、GIGAスクール構想による出荷を裏づけるのが平均単価の大幅な下落だ。

 2021年1月の出荷金額は、市場全体では前年同月比20.3%増の825億円と成長したものの、過去最高となった2008年1月の926億円を、100億円ほど下回っている。また、ノートPCでは、39.6%増の706億円。台数では8.4倍という高い成長を遂げたモバイルノートでも186.5%増の331億円と、約2.9倍に留まっている。

 台数成長に比べて、金額成長が低いのは、平均単価が下落しているのが理由だ。実際、2021年1月の平均単価は、市場全体で5万9610円、ノートPCで5万5286円、モバイルノートでは3万9452円となっている。

 JEITAの出荷統計は、メーカーからの出荷ベースの金額であり、GIGAスクール構想では4万5000円という補助金の範囲内での調達がほとんどであることに照らし合わせても、モバイルノートの平均単価の水準は、まさにGIGAスクール構想向けと合致していることがわかる。

 ちなみに、GIGAスクール構想によるPC導入がはじまっていない2020年1月の平均単価は、市場全体で10万3939円、ノートPCで10万6079円、モバイルノートは11万5000円となっていた。もともとモバイルノートの方が市場全体やノートPC全体よりも高かったが、それが逆転。そして、モバイルノートの平均単価は、わずか1年で3分の1にまで下落しているという状況だ。

 ここからもGIGAスクール構想による導入が大きく影響していることがわかる。

 なお、1月としては、過去最高の出荷金額を達成している2008年1月のモバイルノートの平均単価は、15万8750円。2021年1月の実績と比較すると、4分の1の平均単価にまで下がっていることになる。

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