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格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す! 第171回

1GBまでなら0円が注目の楽天モバイルには今乗り換えても大丈夫か?

2021年02月07日 12時00分更新

文● 正田拓也 編集● ASCII

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 1月29日、楽天モバイルの料金プラン「Rakuten UN-LIMIT」の変更が発表された。月2980円(以下、すべて税抜)で「無制限のデータ通信と国内通話かけ放題」に変更はないものの、4月からは段階制の料金となり、通信量が1GB未満なら0円という究極の安値を実現した。しかし、重要なのは楽天モバイルのエリア品質で、本当に乗り換えていいのかどうかが気になる人も多いはずだ。

1月29日、1GBまでなら0円というインパクトのある新料金プランを発表した楽天

楽天のエリアの状況は急激に変化している真っ最中

 300万人を対象に契約から1年無料のキャンペーンが続いている楽天モバイルだが、その1年が経過してしまっても通信量を少なくすれば「0円」が継続することになる。プランの詳細な内容はいろいろなサイトで記事が載っているので細かくは紹介しないが、1GBまでなら0円、3GBまで980円、20GBまで1980円、それ以上どんなに使っても2980円という4段階となり、「Rakuten Link」アプリを用いた国内通話が0円なのも変わらない。

新しい「Rakuten UN-LIMIT VI」は段階制プランとなる。20GB以上ではこれまでと変わらない月2980円で、それより通信量が少ない場合の維持費は安くなる

 ただし、高速なまま通信量が無制限になるのは、楽天が自前で構築した「楽天回線エリア」だけ。楽天モバイルはゼロからネットワークを作っており、拡大の真っ最中のため、エリアはまだは限られる。それ以外では、auの回線を使う「パートナー回線エリア」となり、月5GBまでという制限があって、それを超えると通信速度が最大1Mbpsに制限される。

 通信量が月3GB以下という人であれば、すべての通信をauのネットワークでまかなうことができて980円。しかも国内通話はかけ放題と一般的な格安SIMを下回る料金だ。

 ただし、話はそうはうまくはいかない。現時点でもそうだが、楽天のエリアが充実したと判断された地域から、au回線のローミング接続が終了。その地域では楽天回線しか使えなくなる。この判断はあくまで楽天側によるもので、その一帯の隅々まで電波が届くかという点では、用いる周波数の特性の違いなどもあり、auには及ばない。つまり、「圏外」で使えない場所が、先行する3大キャリアのネットワークに比べて、どうしても多いということを意味する。

赤が楽天回線エリアで、紫が今後拡大予定のエリア。ピンクは今夏の時点でもau回線を用いるエリア。楽天回線エリアになっていても、どこでも常に楽天回線に繋がるわけではないのがやや難しい

 とは言え、楽天回線エリアの拡大のペースはかなり早くなっている。突然その地域一帯が一気にエリアになるケースがあるほか、今まで不安定だった場所が安定して通信できるようになることもある。従来は公式サイトのマップでエリアとされていた場所でも通信ができないこともあったが、日数の経過とともにかなり改善されている印象だ。

 つまり、楽天回線エリアの状況は日々変化している。実際に使えるかどうかは常に最新のエリアマップやユーザーの声などで確認してほしい。古い情報を信じてしまい、せっかくのオトクな回線を逃してしまうことだけは避けたい。

 ちなみにエリアには不安な点はあっても、回線速度は問題ない印象だ。昼12時台後半という格安SIMには“魔の時間”であっても速度低下はほとんど感じられない。

通信速度という意味では制限されていない状態では下りが70Mbps程度、上りは10Mbps程度の速度が出た

たとえ圏外であっても
「Rakuten UN-LIMIT」の通話をする方法はある

 携帯電話として最も重要なのは電話が通じるかどうかと考えている人にとっては、楽天モバイルならではのメリットもある。Rakuten Linkアプリによる通話は、携帯電話のネットワークが圏外でも、Wi-Fiを用いてインターネットに接続してさえいれば発着信ができる。

 Rakuten Linkでの通話は、まさにアプリで通話するIP電話のようなもので、機種によってはヘッドセットとの連携がうまくいかないこともあるが、端末単体で電話するぶんには問題ない。

 たとえば家の中では、楽天の電波が弱くて通話がしにくいという場合でも、Wi-Fiでインターネットに接続さえできていれば、圏外にならずに通話ができるのだ。公式の使い方ではないが、この応用で端末から楽天モバイルのSIMを抜いても、Rakuten Linkを使った通話ができることもある。

アンテナ表示は「圏外」でも、Rakuten Linkによる発信が可能で通話もできている

対応端末は最近のものならだいたい大丈夫だが、要確認

 次にRakuten UN-LIMITに対応するスマートフォンだ。楽天モバイルが販売する製品なら当然まったく問題がないが、注意が必要なのはiPhoneを始めとした、それ以外の機種を使う場合だ。

楽天オリジナル端末の「Rakuten Hand」。FeliCa対応でサイズもコンパクト。記事公開時点で機種代金とほぼ同額のポイント還元がされる

 自分の端末がどうかは、楽天モバイルのウェブサイトで確認してほしいが、SIMロックを解除をしたiPhoneはiPhone XS/XR(第2世代iPhone SEを含む)の世代以降なら一部機能は制限されるものの使える。ただし、他社の格安回線では問題なく対応するiPhone 8やiPhone Xが非対応なのは注意が必要。

 Androidについてはもう少し注意が必要で、同じ機種であっても、キャリアモデルの場合はSIMロックが解除されていても使えないか、エリアが制限される場合がある。現在の対応周波数で言えばバンド3が対応なら楽天回線が使え、バンド18が対応ならパートナー回線(au回線)が使える。

 一方で、対応バンドが合致していたとしても使えない「Google Pixel 3」のような機種もある。さらにAPN設定を手動でしなければならない機種とそうでない機種もあるため、手動設定となった場合は多少のスキルは必要だ。

 また、Androidの場合、Rakuten LinkアプリはGoogle Playでしか配布されていないため、ファーウェイ製端末のようにGoogleのサービスに対応しない製品では通話かけ放題ができない。楽天モバイルの対応表ではGoogleのサービスが使えない「HUAWEI P40 lite 5G」でも通話ができるとなっているが、その点は注意が必要。

 そのほか、モバイルルーターでも利用できる。固定回線の代替としての活用もありえるが、通信量があまり多いと一定の速度制限がかかる。

固定回線代用なら接続するバンドを固定する機能がついたアイ・オー・データ機器「WN-CS300FR」が便利だ。有線LAN端子も装備している

固定回線として大量に利用したら途中で速度大幅ダウン、快適とはいえない速度になってしまった

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