新規のActionが5種8個用意
Windows Terminalでは、キー割り当てに使うWindows Terminalの機能を「Action」と呼んでいる。v1.6では、以下の5種8個のActionが追加され、一部はキー割り当てがなされている。
追加されたのは、GUI設定ページの表示、シェーダー効果のオンオフ、タブの移動(前後)、直前のペインに戻る、先頭、末尾までのスクロールだが、このうち、openSettingsやmoveFocusは、Actionとしては元々あったキーワードにパラメーターを追加して挙動が変わったもので、新規のキーワードは、“toggleShaderEffects”“moveTab”“scrollToBottom”“scrollToTop”の4つだ。
もう1つ、デバッガーを起動するためのActionとして「breakIntoDebugger」がある。これは、settings.jsonで“debugFeatures”が有効になっている場合に働くが、Windows側でVisual Studio 2019をインストールしておくなど、デバッガーが設定された状態にしておかないと、Windows Terminalが終了し最悪Windowsでもエラーが出る可能性がある。
そのほかの変更点
もう1つ、新規の設定機能として「startupActions」がある。これは、Windows Terminalの起動時に実行できる動作を指定するものだが、指定するのはWindows Terminalの起動オプションである。Windows Terminalは、wt.exeとしてコマンドライン引数をサポートしているが、これをsettings.json内にコマンドとして記述できる。これを使えば、起動時に2つのペインに分割されたコマンドプロンプトを起動するといった指定が行える。
また、いくつかのVTエスケープシーケンスが追加されている。VTエスケープシーケンスは、元祖のDEC VTシリーズがなくなったあとも、xtermなどのターミナルエミュレーターで追加があり、さまざまな端末ソフトが独自の機能をさらに加えている。今回追加されたエスケープシーケンスは、コンソールソフトウェアのConEmuが装備した、Windowsタスクバーアイコンのプログレスバー表示である。
このエスケープシーケンスは、
Esc]9;4;1;50Esc\
などとすると、50%のプログレス表示でアイコンの半分を半透明の矩形が覆う。
アプリケーションがダウンロードやコンパイルなどの長時間かかる処理を行う場合に利用することができる。PowerShell 7などなら「`e」でEscコードを表現できるため、文字列の出力が簡単にVTエスケープシーケンスが利用できる。
最後に、Windwos Terminal v1.6の機能別キー割り当てとキー割り当て順の表を下に用意した。
Windows Terminal Preview v1.6は比較的大きな機能追加があり、今後を期待させる。予定では春頃には、v2.0の完成を目指すとしている。
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