定番ベンチで基本性能を確認する
VRを使った検証に入る前に、今回テストしたGGの基本的な性能を確認しておきたい。まずはCPUのパワーを見る「CINEBENCH」だが、今回は最新版「R23」を使用した。標準設定の10分繰り返し処理回した後でスコアーを算出するやり方で測定した。
また、今回の検証はBIOS設定に関しては出荷状態そのままだが、OSはWindows 10の最新版(20H2)、GPUは検証時における最新版(Adrenalin 20.12.1)としている。
今回の検証機はCPUがRyzen 5 5600Xに変更されているため、マルチスレッドのスコアーが抑え気味だが、それでも今時のPCゲームやVRコンテンツを楽しむには十分なパワーを備えているだろう。
続いてはGPUの性能を見る「3DMark」だ。今回はシンプルに「Fire Strike」「Time Spy」「Port Royal」の3本で検証した。4K想定のテスト(Fire Strike Ultra等)はRX 6800 XTのスペックや性能から見送っている。
今回は非VRゲームのパフォーマンスは検証していないが、「Cyberpunk 2077」を利用した検証(https://ascii.jp/elem/000/004/038/4038913/)結果と合わせれば、最新AAAタイトルをフルHD~WQHDで高フレームレートプレイするには十分な性能を備えている。CPUがRyzen 5なので重いゲームの裏でDiscord等を処理させるのは厳しいシーンもあるが、パフォーマンス的には一線級のゲーミングPCといえるだろう。
最後にストレージのパフォーマンスは「CrystalDiskMark」で計測した。テスト用パラメーターはデフォルトのままとしている。
シーケンシャルリードは2.4GB/sec、シーケンシャルライトは1.9GB/sec前後と、今時の最速SSDに比較すると大人しめのNVMe SSDが使われているが、これ以上高速なSSDを搭載してもゲームの読み込み時間改善にはほぼ影響しない(強いて言えば「Microsoft Flight Simulator 2020」の読み込み待ち程度)ので、PCゲーム用には十分な性能といえる。もちろんSATA接続のSSDに比べれば数倍高速だ。
まずは「VRMark」で検証
ではGGとOculus Quest 2を組み合わせたVRシステムで、実際にPC向けVRコンテンツがどの程度快適に動作するのかを検証してみたい。その前に「VRMark」を利用してVR環境を想定した際のパフォーマンスをチェックしたい。
ここで注目したいのはスコアーではなく左下あたりに表示される「Average Frame Rate」、つまり平均fpsの大小だ。処理の極めて軽いOrange RoomやDirectX 12ベースのCyan Roomでは平均fpsが300fpsを軽く超えている。90fpsあればHTC Vive Cosmos等のPC用VRヘッドセットには十分すぎる力があるといえる。
そして少し前までは描画が重すぎて現実的なテストと言えなかったBlue Roomですら平均112fpsに到達。相当重いVRコンテンツでも楽に動かせることが示唆されている。