QRコードで接続設定もできて使いやすい
実売8000円前後のWi-Fi 6ルーター「WSR-1800AX4」は乗り換えに悩む人も要チェック!
2020年12月28日 13時00分更新
物理スイッチの切り替えで簡単モード設定
Wi-Fi接続設定はQRコードの読み取りでOK
ルーターが基本的に自動でネットワークを認識し、最適になるよう設定してくれるとはいえ、こちらが意図した設定になるかどうかは別問題。例えばアクセスポイントとして使いたいのに、多段ルーター状態になってしまう……というのがよくあるパターンだ。
こういった場合は一度設定画面を開き、モードを変更するといった操作をすればアクセポイントとして使えるのだが、WSR-1800AX4はもっと簡単だ。背面のスライドスイッチで「ROUTER」を「AP」にするだけでいい。
価格を抑えたいエントリーモデルでは、こういったスイッチは省略されがちなのだが、ユーザーの利便性を優先して搭載しているというのがありがたい。
ちなみに「WB」というのは、中継器モードのこと。電波を中継してより遠くに飛ばしたい場合や、有線LANの機器をWi-Fi接続したい場合に重宝する。将来、より高速なルーターを購入した場合でも、こうして中継器などとして活用できるのも魅力だ。
もう1つスイッチで感心したのが、電源スイッチを押すといきなり電源が切れるのではなく、ちゃんと機器のシャットダウンを行なってくれること。低価格な製品でここまでしっかりした作りになっているのは珍しいのではないだろうか。
また、Wi-Fi接続で最も面倒に感じるのが最初の接続設定だが、WSR-1800AX4はワンボタンで接続できるAOSS機能を搭載しているので、この機能に対応する機器であれば接続は簡単だ。さらにスマホやタブレットであれば、用意されたQRコードをカメラで読み取るだけでWi-Fi設定が完了するなど、より簡単に接続できる機能を搭載している。
セットアップカードには、QRコードは「QRsetup」というアプリで読み取るよう指示されているのだが、試しにAndroidのGoogle Lens、iPadのカメラで読み取ってみたところ、どちらでもWi-Fi設定を行なうことができた。スマホなどにアプリを追加することなく使えるというのは、好感が持てる。
なお、このQRコードが使えるのはデフォルトのまま使用した時だけ。自分でSSIDやパスワードを変更した場合は使えないので注意しよう。
セキュリティーや利用面で便利な機能を多数搭載
WSR-1800AX4を選ぶメリットとして、Wi-Fi 6の速度はもちろんなのだが、実用性の高い便利な機能を多数搭載している点も見逃せない。中でも気になる機能をいくつかピックアップしてみよう。
セキュリティー面でうれしいのが、最新のWPA3に対応していること。WPA2よりも強固なものとなっており、いわゆる辞書攻撃(辞書にある単語を総当たりでパスワードなどを探る方法)への耐性が高くなっているといった特徴がある。従来よりも外部からの不正アクセスが難しくなるため、インターネット回線へのタダ乗り、LAN内にあるNASやPCといった機器へのアクセスを未然に防げるのがメリットだ。
もちろん、従来との互換性を重視し、WPA2での接続も可能だ。SSIDの末尾に「WPA3」とあるのがWPA3対応のもの、ついていないのがWPA2のものとなっているので、機器に合わせて接続先を選ぶといいだろう。
また、ゲスト用の接続設定を作れるというのも心強い。これは家庭内LANにアクセスできない独立したネットワークとして扱われるため、来客から「Wi-Fi使わせて」といわれた時でも、安心して開放できる。また、利用可能時間を設定できるため、切り忘れによるタダ乗りを防げるのもメリットだ。
利用時間の設定つながりでいえば、特定の端末だけ利用できる時間帯を制限できる「キッズタイマー」、ルーターの動作そのものをカスタマイズできる「スケジュール」機能も搭載。
特にキッズタイマーは利用時間を1時間単位、曜日ごとに細かくスケジュールできるので、平日昼間と夜間は利用禁止にする、といった設定も簡単に行なえる。子供が夜遅くまで使うのが心配だというのであれば、キッズタイマーはかなり便利な機能となるだろう。
通信の安定性でいえば、「バンドステアリングLite」という機能が搭載されているのも見逃せない。これはルーターの近くにいるときは高速な5GHz帯、遠くにいるときは電波の届きやすい2.4GHz帯というように、電波強度に合わせて自動で切り替えてくれるもの。1階だと快適だけど、2階に移動したときは別のSSIDに接続しなきゃ……といった手間がないのがうれしい。