メモリーバス幅が敗因?「Apex Legends」
ではDXRを使わない、ラスタライゼーションベースのゲームを使った検証から始めよう。最初に試すのは「Apex Legends」だが、起動オプション(+fps_max unlimited)で144fpsキャップを解除している。画質は最高設定とし、射撃訓練場における一定の動作をした時のフレームレートを「CapFrameX」で測定する。
フルHD時はRX 6900 XTとRTX 3090 FEに大きな差はないが、解像度が上がるほどにRX 6900 XTの平均fpsは伸びにくくなる。Infinity Cacheを使ってメモリーバス幅を擬似的に太くしても、多量のCUDAコアと太いメモリーバスの力業ができるRTX 3090 FEの方が平均fps引き上げにかなり有効であることがわかる。メモリーバス幅を増やしたくないがゆえのInfinity Cacheだが、これがボトルネックになることもある、ということだ。
ただしApex Legendsはフレームレート制限を解除しても300fpsで天井になる。今後出るであろうファクトリーOCモデルでどれだけ最低fpsの引き上げとなるかに注目したい。
SAMがRX 6900 XTでも有効な「Rainbow Six Siege」
次に試す「Rainbow Six Siege」では、APIはVulkan、画質は“最高”、さらにレンダースケール100%となるように設定。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを測定した。
まずフルHDでは、RX 6800 XTでSAMを有効にした時の性能とSAMを使わないRX 6900 XTの性能がほぼ同じであり、かつRTX 3090 FEのすぐ下に付けている点に注目したい。超高リフレッシュレートのフルHDゲーミング液晶環境では、RX 6800 XTにSAMを組み合わせることで、RTX 3090 FEとほど同レベルの性能を出せるのだ。そしてRX 6900 XTはSAMを効かせることで、RTX 3090 FEを3%程度上回ることができる。性能差がもっと欲しいならRageモードでさらに2~4%平均fpsの上積みになる。
しかし、解像度が上がると状況が変わる。WQHDではRTX 3090 FEとRX 6900 XTの差はほぼ解消され、4KではついにRTX 3090 FEに逆転される。このあたりもRX 6800 XTレビュー時と同様の展開だが、RX 6800 XTの時はせいぜい2%程度の差だったものが、今回のRX 6900 XT対RTX 3090 FEでは10%程度の差に拡大している。CUDAコアモンスターであるRTX 3090はそう簡単に勝たせてはくれないようだ。
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