CU80基構成だがクロックは据え置き
リファレンスカードの作りがRX 6800 XTから何も変わってないことに驚いたところで、RX 6900 XTのスペックを確認しておこう。CU(Compute Unit)数はRX 6800 XT比で約11%増加した80基となり、レイトレーシング処理の肝となるRA(Ray Accelerator)やテクスチャーユニット、ROP数もそれに連動して増加している。ただし、それ以外の部分、即ちメモリーバス幅や搭載VRAMの容量やスペックなどはRX 6800 XTからそのまま継承している。RX 6000シリーズの爆発的な性能向上を支えるInfinity Cacheの容量も128MBと変化していない。
GPUの回路規模が大きくなると消費電力が増し、それを相殺すべくクロックが下がるというのがこれまでの定石だ。しかし、RX 6900 XTの動作クロックはRX 6800 XTと同設定。加えてBoard Power(カード全体の消費電力。GeForceにおけるTGP)は300Wで、これもRX 6800 XTと同一設定だ。それでいてBoard Power(カード全体の消費電力。GeForceにおけるTGP)は300Wで、RX 6800 XTから全く変わっていない。
NVIDIAはRTX 3090に9000基近いCUDAコアを搭載するためにブーストクロックを少し下げ、さらにTGPも350Wにまで引き上げた。だが、AMDはCU数を増量したのにBoard Powerや動作クロックはそのまま。にわかには信じがたいが、Ryzenで培った細やかな電力や温度の管理、 7nmプロセスに帯するノウハウなど、これまでの技術の蓄積を上手く組み合わせることに成功したのだろう。
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