オフィス+リモートが当たり前の時代に、必要なものを必要な時にリクエスト「Workplace Service Delivery」
ServiceNow、ハイブリッドな働き方に合わせた新製品発表
2020年12月04日 07時00分更新
ServiceNow Japanは2020年12月3日、従業員向けワークフローソリューション「Employee Workflows」の新製品となる「Workplace Service Delivery」の提供開始を発表した。従業員がフリーアドレスオフィスのデスクや会議室を使うための予約、来客の入館手続きなどをどこからでも可能にし、自動化するもので、オフィスワークとリモートワークが混在する時代の“新しい働き方”を支援する狙いがある。
オフィスワーク+リモートワークの“ハイブリッドデジタルワークプレイス”時代
ServiceNowはNow Platformをベースに、IT、従業員(Employee)、顧客(Customer)と役割に応じた3種類のソリューション(Workflows)と、開発者がNow Platformの機能を使って固有業務ソリューションを開発、提供できるApp Engineを展開している。
Employee Workflowsは、人事、総務、情報システムなどの業務に携わる従業員向けサービスを単一のプラットフォームで管理し、部門を横断したデジタルワークフローを構築できるもので、ポートフォリオとして「HR Service Delivery」「Safe Workplace」、そして「Legal Service Delivery」(日本では未提供)を備える。今回、ここにWorkplace Service Deliveryが加わる格好となる。
Workplace Service Deliveryは、ServiceNowが5月にオランダApp4Mationから取得した「4Facility」の技術をベースとしたソリューションだ。なおApp4Mationは、Now Platform上で職場体験を改善するサービスを構築するベンダーである。
新ソリューション提供の背景として、ServiceNow Japanの壹岐隆則氏は、「コロナ禍で人が働く環境が急速に変化し、オフィスだけではなくリモートワークもノーマルになる“ハイブリッドデジタルワークプレイス”の時代が到来している」と述べる。オフィス効率化と出社人数制限の観点から、ここでは従業員が必要に応じてデスクやオフィススペースの予約を行う「ホテリング」の考え方を支援する仕組みが必要になるという。
Workplace Service Deliveryの機能としては、オフィス/ワークスペースに関するケース管理機能の「Workplace Case Management」、会議室などの予約管理「Workplace Reservation Management」、来客がある場合の入館手続きなどをオンラインで行う「Workplace Visitor Management」、オフィス空間の利用状況を管理/最適化できる「Workplace Space Management」の大きく4つがある。これらは、Now Platformが提供するチャットによる仮想エージェントで利用できる。
従業員は、これまで担当部署のスタッフと電子メールや電話で行っていたようなやり取りをセルフサービスインターフェイスを利用して行い、その作業を簡素化、自動化できる。たとえば会議室予約の場合、空きのある日時での予約だけでなく、会議室の構成やケータリング、プロジェクターやマイクなどAV機器利用のサポートなどを簡単にリクエストできるという。
これらに加えて、管理者向けのダッシュボード「Workplace Reporting Dashboards」も用意する。このダッシュボードについて、壹岐氏は「会議室の利用状況や利用パターンといったデータをリアルタイムで収集・表示でき、オフィスの最適化や従業員サービスの向上に何が必要かの経営判断がしやすくなる」と説明する。
コロナ禍とリモートワーク/在宅勤務の浸透によって、オフィスの見直しは進んでいるのか。そう質問したところ壹岐氏は、オフィスレイアウトの見直しから統廃合まで「非常に多くの企業がオフィスの見直しを検討している」と答えた。「ソーシャルディスタンスの確保、出社制限に加えて、リモート(ワーク)もノーマルになる」(壹岐氏)。フリーアドレス制の採用や、オープンスペースを増やすといった対策が進んでいるという。
また、同社 マーケティング本部 プロダクトマーケティング部 部長の高橋卓也氏は、「政府から出社率制限について要請を受けており、会社として対応しなければならない規模の企業は、かなり早い段階からオフィスの見直しや出社率の制限管理を進めている」と付け加えた。