DXRではRadeonが苦戦した「Call of Duty: Black Ops Cold War」
続いてはDXRを使ったゲームのパフォーマンスを見ていこう。まずは最新作「Call of Duty: Black Ops Cold War」(CoD:BOCW)にご登場願おう。画質は最高設定(ただしスクリーンスペースリフレクションのみ何をやっても強制的に“低”に戻ったので全て低で統一)、モーションブラーはオフ、DXR有効、さらに高解像度アセットも導入している。
キャンペーン「フラクチャー・ジョー」をプレイした時のフレームレートを「CapFrameX」で測定した。ここでもGeForceはDLSSを有効にした時のフレームレートも測定しているが、DLSS 2.0の設定は“バランス”としている。
DXRを有効にした途端、RX 6000シリーズのパフォーマンスは一気に下がってしまった。CoD:BOCWではフルHD時でさえ60fpsを下回るなど、完全にDXRを処理するパフォーマンスが足りていないことを意味する。
しかし、RTX 30シリーズのRTコアは第2世代なのに対し、RX 6000シリーズのRA(Ray Accelerator)は第1世代なので、まだドライバー側にもゲーム側にも最適化のノウハウが乏しい可能性も十分にある。
そのうえ、真っ先に最適化するであろう3DMarkのPort Royal(前回参照)の結果から考えても、RX 6000シリーズのRAはパフォーマンス不足であると考える方が妥当だろう。
さらに、CoD:BOCWではSAMの効果はほとんど得られていないなど、Radeonの良い部分がなかなか活きないゲームであることも窺える。
DXRでもSAMは効果が見られた「Control」
続いてはDXRの機能を使いまくっている「Control」で試してみたい。画質は“高”、レイトレーシングは“高”、GeForce系のDLSS2.0は“Quality”相当(内部解像度が一番上)に設定。マップ内の一定のコースを移動した時のフレームレートを「CapFrameX」で測定した。
CoD:BOCWほどの落差はないものの、ここでもRX 6000シリーズはRTX 30シリーズよりも最大20〜30fps下の性能にとどまる。Infinity Cacheの効果でメモリー帯域を稼ぐことができても、RAがボトルネックとなってフレームレートが出ないことが示唆されている。
ただこのタイトルでの収穫は、DXRのゲームでもSAMの効能が確認できたことだ。おおよそ5~8%のゲインが期待できるので、フレームレートを絞り出す手段としては有効であることが分かる。

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