「Red Dead Redemption 2」では最低fpsに注目
続いては重量級の「Red Dead Redemption 2」(RDR2)で試す。画質(精密度)は最大に設定。ゲーム内ベンチマーク機能を利用して計測した。
平均fpsだけを見るとRTX 3080 FEよりもRX 6800 XTがフルHD~WQHDまでの領域で上回り、RTX 3070 FEに対してRX 6800は圧倒という構図はこれまでの検証でも観測できている。
だがここで注目して欲しいのは、最低fpsの出方だ。RDR2は最低fpsが落ち込みやすい傾向があった。SAM無効のRX 6000シリーズとRTX 30シリーズはテストを3回実施しても30fps台にとどまっていたのに対し、SAMを有効にしたRX 6000シリーズだと1回目から50~80fpsの値が出た。
つまりRDR2では、CPU→VRAMへのアクセスがボトルネックとなりやすく、SAMを使うことによってそれが大幅に緩和された、ということになる。ちなみに平均fpsに対するSAMの効果はフルHD~WQHDでは7~9%、4Kで3%となり、最低fpsよりは効きが鈍いことも分かる。
RX 6800 XTが苦戦した「MONSTER HUNTER WORLD: ICEBORNE」
ラスタライゼーションを使ったゲームの最後に試すのは「MONSTER HUNTER WORLD: ICEBORNE」(MHW:IB)だ。APIはDirectX 12、画質は“最高”をベースにHigh Resolution Texture Packを導入。集会エリアにおける一定コースを移動した時のフレームレートを「CapFrameX」で測定した。
GeForce系のみDLSS使用時のフレームレートも出しているが、これは今後Radeonに「FidelityFX Super Resolution」が搭載された場合にどうなるか、を想起するために参考として掲載している。また、一部フルHDでDLSSを使用した際の数値を記載していないのは、効果がないまたはDLSSが選択できなかったため数値化していない。
このタイトルはGeForce寄りかRadeon寄りか断言するのは難しい。オリジナルのMHWはDLSSにいち早く対応ししたのでGeForce寄りと言えるが、拡張パック(ICEBORNE)ではAMDのFidelityFX CAS+Upscalingに対応しているので、Radeonにも寄せている。ちなみにFidelityFX CAS+Upscalingは描画負荷を下げてフレームレートを上げる技術だが、DLSSと違い画質設定が変わる(“高”設定が上限になる)ため使用していない。
やや前置きが長くなったが、MHW:IBではRX 6800 XTがかなりの苦戦を強いられている。どの解像度設定でもRTX 3080 FEよりやや下になっており、DLSSを効かせるとさらに差は開く。
今後リリースされるFidelityFX Super ResolutionがMHW:IBに対応するかは怪しいところだが、仮に対応したとしてもDLSSに相当するフレームレートまで伸びないと本タイトルにおける勝負はRTX 3080 FE勝利のままで終わるだろう。
しかし、RX 6800に関しては、ここでもRTX 3070 FEを大幅に上回っている。さすがにWQHD以上でDLSSを使われるとRTX 3070 FEの方が有利だが、フルHDならRX 6800の方がずっと高フレームレートが出せる。
MHW:IBにおけるSAMの効果は極めて限定的で、多くて3%、条件によっては変わらないこともある。実際はSAMで平均fpsが減っているデータもあるが、これはSAMで減るのではなく、手動計測による誤差範囲と考えるべきだろう。

この連載の記事
-
第473回
デジタル
Ryzen 7 9800X3Dと9700Xはどっちが良いの?! WQHDゲーミングに最適なRadeon RX 9060 XT搭載PCの最強CPUはこれだ! -
第472回
sponsored
触ってわかった! Radeon RX 9070 XT最新ドライバーでFPSゲームが爆速&高画質に進化、ストレスフリーな快適体験へ -
第471回
デジタル
8TBの大容量に爆速性能! Samsung「9100 PRO 8TB」で圧倒的なデータ処理能力を体感 -
第470回
デジタル
HEDTの王者Ryzen Threadripper 9980X/9970X、ついにゲーミング性能も大幅進化 -
第469回
デジタル
ワットパフォーマンスの大幅改善でHEDTの王者が完全体に、Zen 5世代CPU「Ryzen Threadripper 9000」シリーズをレビュー -
第467回
デジタル
Radeon RX 9060 XT 16GB、コスパの一点突破でRTX 5060 Tiに勝つ -
第466回
デジタル
Radeon RX 9060 XTは6.5万円でVRAM 16GBのお値打ちGPUになれたか? -
第465回
デジタル
遅れてやってきたPCIe5.0 SSDの大本命、リード14GB/秒超えのSamsung「9100 PRO」を実機レビュー -
第464回
デジタル
Radeon RX 9070シリーズの仕上がりは想像以上だったことがゲームベンチでわかった -
第463回
デジタル
Ryzen 9 9950X3Dは順当進化。3D V-Cache搭載Ryzenの最強モデルだがクセありな部分はそのまま -
第462回
デジタル
RTX 5070の足を止めた「Radeon RX 9070 XT/ 9070」レビュー - この連載の一覧へ







