建設業界の労働環境改善と新技術の活用
道路橋と道路トンネルの例を見ても分かる通り、建設業界の危機的な人手不足が続けば、道路インフラの整備やメンテナンスに支障が出る。さらには、近年の甚大化が問題となっている、災害発生時の対応にも影響しかねない。
日本道路建設業協会が、「この状態が継続すれば、国家の衰退にまでつながることが危惧されます」と指摘するように、このまま深刻なリソース不足が解消できなければ、危険な道路インフラで溢れた国土になってしまうことも考えられる状況なのだ。
安全で安心して暮らせる国土を維持するためには、さらなる生産性の向上が不可欠。道路建設業界でも、機械化、自動化、ICTによる生産性の向上、働き手の維持、増加を図るための労働環境の改善など、複数の確度からこの課題に立ち向かっている。大量離職が予想されるという10年後までに、これらの改革がどこまで進み、浸透するかが、今後の建設業の鍵となりそうだ。
なお、本記事の作成にあたっては、日本道路建設業協会の作成したファクトブックからデータや事例を引用している。日本道路建設業協会の公式サイトには、道路や舗装に関する新情報や、最新技術を使用した事例がまとめられているので、合わせて参照してほしい。