DX化を進める際の土台となるクラウド型製品マスタSaaSを開発するLazuliが5000万円調達
同時に、日本ディープラーニング協会理事長の松尾 豊氏がAIアドバイザーに就任
Lazuliは11月5日、Coral Capitalおよび個人投資家を引受先としたJ-KISS型新株予約権方式による5000万円の資金調達を実施したと発表。
同社のCEO/CTOである萩原 静厳氏は、DX/AIのスペシャリストとしてこれまで多くの企業のデータ分析、AI、DXのコンサルティングを手がけてきた。そのなかで、多くの企業が製品マスタの管理に労力や人員を割いていることがわかったという。製品マスタ管理はデータ活用/DXの基礎となるため、非常に重要であるものの、企業にとっては労働集約的なノンコア業務であり、そこにかかるコストと時間は本来コア業務に割り当てられるべきだという課題の声が上がっていた。
Lazuliは、世界中の製品情報を整理し、データとして利用できるSaaSの開発と提供を進めている。大企業から個人事業主にいたるまで、誰もが容易に同社のデータを利活用でき、DX化を進める際の土台となるよう開発。Lazuliであれば、膨大な製品数と、AIによる高精度の付加情報にSaaSという形でいつでも利用可能としている。
今回の資金調達は、2020年7月に創業して以来初となる。また同時に、東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター/技術経営戦略学専攻 教授、一般社団法人日本ディープラーニング協会理事長の松尾 豊氏がAIアドバイザーに就任。今後はプロダクトの開発、企業とのシステム連携や実証実験、またエンジニアを中心とした採用を推進していくという。
AI技術の革新を知る企業だけが複雑な企業課題を解決できる
企業のさまざまな活動によって、膨大な量のトランザクションデータが生み出され続けている。これは新たな価値創出の源泉になることが期待されているが、膨大で乱雑なデータは、分析にもマーケティングにも商品開発にも活かしにくい状態にあると考えられる。
「サプライチェーンの中でいうと、商品の情報は製造、物流、販売でも全然違うし、管理が違うし、そこが一元化されていない。ID管理されていないということもあるし、販売でもリアルとウェブとアプリとで販路ごとに管理が全然違う。製品のマスターが整備されていからスケールしないということが我々の経験でもあるし、今後さらにOMO(Online Merges with Offline)とかDXが進んでいくとさらに課題になっていく」(萩原氏)
Lazuli株式会社が開発を進めている製品マスタデータベースは、世界中にある製品情報に対して画像解析・文章解析・ディープラーニングなどのAI技術を適用し、名寄せやメタ情報の生成を行なう。この製品マスタデータベースを活用することにより、競合製品の情報を正確に把握できるようになったり、たとえば従来リユース企業では商品入荷後に手作業で行なっていた商品登録を自動化できるようになるという。