毎年、台北で開催されるICT系イベントであるCOMPUTEX TAIPEIには、この10年近くほとんど参加している。しかし残念なことに今年はコロナ禍で大会の開催そのものが流れてしまった。ICT業界にとっても今年はそんな悲しい残念な時代ではあるが、幸いにも年初に以前から目を付けていた台湾のキーボード会社であるTEXのShinobi(忍)と名付けられた、TrackPoint付きのスペースセーバーキーボードを手に入れた。
Shinobiとの出会いは、一昨年のCOMPUTEX会場でデモ展示されていた、プロトモデルに触れたのが最初だった。見るからにThinkPadのキーボードレイアウトをベースに、チェリーのメカニカルキースイッチを採用し、純正のTrackPointをGとHとBの中間に収めた商品だった。
Shinobiを触っていると、どこから見ても某社関係者のアドバイスやサジェスチョンの反映されたイメージを感じてしまう。ブースの中にあった何台かのShinobiのプロトモデルの1台には、パームレストに某研究所のよく知るエンジニアのサイン入りモデルが1台展示されていた。
初めて買ったShinobiは、今年の年初に届いた英語キーボードモデルだった。筆者はThinkPad 25というモデルの液晶フタを閉めて大型曲面ディスプレイの裏側に立てかけて、普段は外付けのThinkPadキーボードでデスクトップPCのような形態で使っている。
ThinkPad 25も、現在使っている外付けのThinkPadキーボードも日本語JISキーボードなのだが、ついつい英語キーボードのShinobiのスッキリしたレイアウトに惹かれて衝動ポチをしでかしてしまった。しかし慣れないキーボードではやはり入力はたどたどしく、結局のところ日本語JISキー配列のShinobiを再び購入することにした。
英語キーボードモデルではチェリーの青軸モデルだったが、新しくオーダーする日本語JISキーボードモデルは青軸よりキータッチが多少重くて打鍵音も少しデッドな響かないサウンドの一番値段の高い緑軸にした。
実は、Shinobiを初めて見た年の夏に、数人の遊び仲間達とジョークで「KACHA」というニックネームの手遊びガジェットを企画してクラウドファンディングでバッカー募集をした。目標は早々にクリアしたのだが、何より楽しかったのは製品の企画段階だった。
製品はチェリー青軸のメカニカルスイッチを3個だけ使い、Ctrl-Alt-Delの3種類のキーキャップを取り付け、IBM PC-ATのシリコン外装に収め"何時でも人生は再起動できる"の意味を込めて"Reboot Anytime"といういい加減な商品名を付けた。実はその時の限定モデルや青軸の交換オプションとして提供したのが、当時はまだ数少なかった緑軸のメカニカルキースイッチだった。
キースイッチの決定時には、キーボード製造メーカーさんにうかがい、いろいろなキースイッチを試した結果、緑軸は一番タッチやタクタイル感の気に入ったキースイッチだったが、当時は限定数提供のキースイッチであり、コストも一番高かったのでKACHAに使用するキースイッチは2番目に気に入った青軸となったのだった。
そんな憧れの緑軸をいっぱい使った日本語JISキーボードが台湾からやっと届いた。今回送られてきたShinobiは最初送られてきたクラウドファンディング版の英語キーボードとパッケージも異なっていた。ブランドロゴがないだけのどこかのモバイルPCのような段ボールパッケージに入って届いた。
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