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miniも登場! iPhone 12、ASCII徹底大特集 第34回

4G契約のSIMのiPhone 12での利用 au以外はほぼ動く!?

2020年10月25日 12時00分更新

文● 二子/ASCII

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 5Gに対応したiPhone 12。各キャリアの公式見解としては「5G契約とSIMが必要」とされているが、では実際に4G契約のSIMではどうなるか、SIMフリー版のiPhone 12に差し込んで試した。

iPhone 12にさまざまなSIMを入れ替えして試した

 まず最初に対応を求められるのがアクティベーション。iPhoneのセットアップ時に求められる作業だが、後述するAPN構成プロファイルの適用が必要な格安SIMなどではモバイル回線経由では不可。Wi-Fiに接続、またはiPhoneをMacまたはPCに繋いで実行する必要がある。

格安SIMではWi-Fiに接続しないとアクティベーションがまず進まなくなるが、これ自体は5Gとは特に関係ない

ドコモの5G/4GのSIM→ともに通信可能

 ドコモの5G対応Androidスマホの購入時に提供されたドコモSIM、また4G契約のドコモSIMともiPhone 12に挿入するだけで、問題なく動作した。ただし、5G端末に4G契約のSIMを差し込んで利用すること自体はドコモのサイトでは「動作保証対象外」と記されている(https://www.nttdocomo.co.jp/area/5g/notice.html)。

4Gでの通信を確認

公式的には4G契約のSIMは5G端末では動作保証対象外となっている

auの4GのSIM→まったく動作せず

 つづいてauからiPhone 11購入時に提供された4G契約のSIM。こちらはauのサイトに記載されている公式見解どおりに(https://www.au.com/support/faq/detail/01/a00000000301/)、まったく通信不可。5G契約への機種変更手続きが必要とされている。この手続きは店頭、もしくはサポートへの電話でも可能(後者ではSIM交換が不要)。

KDDIのSIMであることは認識しているようだが、圏外のままでまったく通信が不可

 ただし、電話では時間がかかることがあるため「急ぎの場合は来店での手続きをおすすめします」という記載があるほか、店頭での手続きの場合は、キャンペーンによる割引も適用されるとしている。また、いずれの場合も3000円の事務手数料が必要となっている。

auのサイトの情報に従って、契約を5Gに切り替える必要がありそうだ

ソフトバンクのiPhone向けの4GのSIM→通信可能

 同じく、ソフトバンクでiPhone 11購入時に提供された4G契約のSIMでは、iPhone 12に挿入するだけで問題なく通信が可能だった。ただし、ソフトバンクではiPhoneとAndroidではSIMの扱いが異なることなど条件が複雑。正しく利用するには「5G基本料」への加入などが求められる(https://www.softbank.jp/online-shop/note/system/attention-smartphone/)。

楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT V)の5GのSIM→通信可能

 楽天モバイルのSIMについては、すでに5G契約に切り替えた物理SIMで試した。こちらもiPhone 12に差し込み、必要な設定をすれば通信が可能だった。また「Rakuten Link」による通話も確認した。

 テザリングの利用にはAPNの手動設定が必要。これ自体は従来のiPhoneと同様なので、楽天モバイルのサイトで設定方法を確認してほしい(https://network.mobile.rakuten.co.jp/guide/setting/ios/)。なお、5G契約のSIMにも関わらず、iPhone 12では5G関連の設定は表示されなかった。

楽天モバイルのサイトにあるとおり、VoLTEをオンで通信が可能に。テザリングを利用するにはAPNの手動設定も必要。この設定自体はこれまでのiPhoneと同様

Y!mobileの4GのSIM→構成プロファイルの適用で通信可能

 iPhone XSやiPhone SE(第2世代)などのiPhoneでは差し込むだけで自動的に利用可能になるY!mobileのSIMだが、iPhone 12では構成プロファイルを手動でインストールする作業が求められる。この際にWi-Fi経由で別途ネット接続が必要。接続の表示も「Y!mobile 4G」ではなく、「SoftBank 4G」になる。ただし、このこと自体は登場したばかりのiPhone新機種では従来同様の挙動。構成プロファイルさえ適用すれば、テザリングを含めて問題なく利用できた。

iPhone 12では構成プロファイルのインストールが必要

アンテナの表記は「SoftBank」

IIJmio(タイプD、ドコモ網)のSIM
→構成プロファイルの適用で通信可能

 ここからが気になる格安SIMでの挙動。まずドコモ網を用いたIIJmioのSIMで試したが、IIJmioのサイトでも公表されているように(https://techlog.iij.ad.jp/archives/2808)、構成プロファイルのインストールで問題なく利用可能。テザリングやVoLTEでの通話も可能だった。同じくドコモ網を用いるOCN モバイル ONEのSIMでも同様に利用できた。

IIJmio(タイプA、au網)のSIM
→構成プロファイルの適用で通信可能

 auの4G契約SIMではまったく通信できなかったのに対し、au網を用いるIIJmioのSIMでは上記と同じ構成プロファイルの適用で、問題なく通信可能。au MVNOではBIGLOBEやmineoもサイト上で動作確認を報告している。au契約のSIMとは挙動が異なるようだ。

auのSIMと異なり、au網を用いるMVNOのSIMは構成プロファイルの適用で4Gでの通信が可能であるようだ

5G契約のSIMを4G端末で使える?
ドコモは動作可否を一覧で提供

 逆に気になるのが5G契約に切り替えたSIMが4G端末で使い回せるか。キャリア公式の情報では「4G端末には4G契約のSIMが必要」となるが、ドコモについては前述のサイト(https://www.nttdocomo.co.jp/area/5g/notice.html)で、動作保証対象外としながらも4G端末での5G契約のSIMでの動作可否が以前から記載されている。

4G端末で5G契約のSIMの組み合わせについても、ドコモ公式では動作保証対象外となる

 その内容はというと、比較的新しい4G端末では動作するが、古めの端末については「2020年9月以降ご利用いただけなくなります」と記されている。iPhoneではiPhone XS/XR世代以降が必要だ。これはドコモの5G契約では2020年9月以降、3G通信が利用できなくなったのと何らか関連があるのかもしれない。

ただし、動作状況についてはドコモはリストを用意

 4G契約のSIMでは4Gまでの通信となるので、iPhone 12の性能を最大限発揮できるとは言いがたいが、現状のエリアを考えると5G無しでも十分であるのも確か。あくまで保証対象外で自己責任とはなるが、4G契約の各SIMでもau以外は基本的には使えそうだ。

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