Go Toしてますか。すっかり在宅ワークが習慣づいて、このごろ保育園くらいしかGo Toしてません。3歳児くんの保護者をしています盛田諒ですこんにちは。日を浴びなくなったこともあってか朝4時に起きて仕事を始めることになってしまい職人のような生活を送っています。どうもインターネット職人です。
先月、家族3人で星野リゾートのリゾナーレ熱海に行きました。Go Toキャンペーンの割引も適用。予約したのは2月で割引になると思っていなかったのでラッキーでした。報道によればGo Toキャンペーンで恩恵に預かっているのは高級宿ばっかりで、中小零細の宿は依然厳しい状況だといいますね。実際、補助が出るなら高級宿に泊まったほうが安心感も満足感も高いってのが消費者心理。うちのように子連れならなおさらですね。補助のクーポンを使う場所もホテルの近くにある店に集中してしまい、地元商店街はまだあまり恩恵を得ていない様子。結局は航空会社や旅行会社しか救えてないってことなんじゃないでしょうか。ってそんな話じゃなくてリゾナーレ熱海ですよ。
リゾナーレ熱海は山の中腹にあるので全室オーシャンビュー、部屋から花火が見られるのが売り。確かに花火はキレイでしたが子どもはそれより新幹線や在来線が見えることに興奮していました。トレインビューですね。チェックインをするとき、部屋に着いたとき、ボールプールの部屋に行ったときさえ窓に貼りつき「見て!新幹線見えた!すれちがった!」と絶叫していました。そういやさいたま新都心の駅前ホテルに泊まったときもヤモリのように窓にくっついて離れなかったですね。予約サイトの絞り込み条件に「トレインビュー」の項目があったら毎回子ども大満足の宿がとれるんじゃないでしょうか。
リゾナーレ熱海はトレインビューだけではなく、子連れ向けの宿だと評判です。実際訪れたときは9割が子連れでした。どっちを向いても子どもがいて、あっちでワー、こっちでキャー。星野リゾートというよりは東京ディズニーリゾート、ビュッフェスペースにいたってはフードコートという感覚ですがそれだけに居心地がいいです。「森の空中基地 くすくす」という山の地形をそのまま生かした樹上アスレチックもあり、子は山を歩いてスタンプラリーを楽しみました。1歳のころから近所の山で遊んでいる野生児なので散歩気分でしたが、普段山に登っていない都内の子ならかなり興奮したんじゃないでしょうか。
子連れ向けという意味では、部屋におもちゃや絵本、洗面所に踏み台があるなどの気配りに感心しました。ビュッフェでは席に通されたとき子ども用の料理を先に用意してくれたり。ビュッフェはどうしても最初に子ども用の料理をとることになるので地味ながらとてもありがたいんですよね。大浴場の男湯におむつ替え台やベビーバス、ベビーチェアまで置いてあったのはびっくりしました。これだけあればワンオペも余裕です。うちの父親世代は何に使うかわからんと思いますが。
温泉といえば、まだ子どもが生まれていなかったとき、温泉に来るたび「自分は何者なんだろう」と思ってました。自分でお金を稼いで温泉に来られるようにはなったが、私は一体何者なんだろうなと。いつかプロとして社会で名前を知られる何者になれるだろうかとか、湯気の中でそんなぼんやりしたことを考えていて。しかし子どもと風呂に入るとき、そんなモラトリアム的なゆとりはありません。急かされるように全身を洗い、「もう出る」「お外寒いからやだ」と言い出す子を説得してどうにか入浴。結局カラスの行水であっという間に風呂から上がり、自分はすっぱだかのまま子どもに浴衣を着せることになります。私は結局お父さんという者になったのかもしれません。
「そんなのはツマラン。新しい光景を見ろ。自分の視野を広げる旅をしろ。努力をしろ。何者かになれ」と20代の自分は言います。フッ、これだからおまえはガキなんだ。たしかに子どもがいると旅は現実味を帯び、光景は見慣れた子ども色になるだろう。だが新たな光景に出会った子どもが発光するように喜ぶ姿こそが自分の視野を内深く広げてくれるものなんだよ。何者かという言葉にとらわれて自分の外側にばかり目を向けているうちは決して見えない新しい景色というものが…そこに…ちょっと待っててくれ。えっトイレ行こう!えっもう出たの!?ここで!!??
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ。3歳児くんの保護者です。Facebookでおたより募集中。
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