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前田知洋の“マジックとスペックのある人生” 第126回

セミナーや取材をウェブ会議でバリバリこなすマジシャンが感じた4つの“デメリット”

2020年10月13日 16時00分更新

文● 前田知洋 編集●ASCII

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メリットはたくさん挙げられているけれど

 なかなか収束の見えない感染症拡大。そんななか、ウェブ会議にとまどいつつも、回数を重ねてきました。

 これまで、筆者にとっては、海外のマジシャンやイベント運営者との打ち合わせなど、国際電話の延長線としてスタートしたウェブ会議。しかし、最近はリアルな会議はほぼ無くなり、クライアントとの打ち合わせなどに欠かせない手段になっています。

 最近も企業によるウェブセミナー出演や、新聞社からの取材をウェブ会議で終えました。毎回、冷や汗をかきながら、ログアウトした後に「ちゃんと相手に伝わったかなあ……」と不安になってばかりです。

 そこで今回は、ウェブ会議ばかりの経験から、筆者が感じたメリットとデメリットを考察してみることにしました。

忘れ物がなくなるのは大きい!

 まず、メリットをざっと挙げると……

○いつでも、どこでも始められる
○スマホやノートPCなど、既存のシステムが活用できる
○経費が節約できる
○感染が予防できる

 などがありますが、デジタルに馴染みのあるアスキーの読者の方なら、このあたりは説明するまでもないと存じます。

 また、打ち合わせに出かける必要がなくなり、時間が節約できるのはもちろんですが、何より快適なのは、必要な資料が手元にあるので、忘れ物がなくなることです。

 筆者の場合、資料はデスクトップPCで作成し、プレゼンはノートPCやiPadを利用するスタイル。以前は「あのデータ、ちゃんとタブレットに移したかなぁ」「USBに入れたっけ?」なんてバタバタすることがありましたが、すっかりなくなりました。

 では、デメリットはどこにあるでしょうか?

デメリット1 相手の環境により資料が使えない

 先ほど、資料が手元にあるので、忘れ物がなくなるとメリットを挙げたばかりですが……。

 通常の会議であれば、動画や写真など、プレゼンの合間に見せていた資料。ウェブ会議アプリの機能を使い、画面に表示はするのですが、相手から「すいません、今日はiPhoneで参加なので、よく見えなくて……」と急に言われて困ることがあります。

 リアルな会議であれば、こちらが持参したタブレットやプリントアウトで提示できるのですが……。とくに色合いや質感などを伝えたい資料は全部ダメ。まあ、事前に郵送もできるのですが、サプライズな演出の資料や、相手の反応で変更するプランの資料は、ウェブ会議では全滅です……。

デメリット2 背景が重要になることも

 テレビ番組などのオンライン出演を見ていると、たまに出演者の背景が気になることがあります。「うわ、この人、イメージと違う部屋に住んでるなあ……」など、背景が気になって話が入ってこないことがあるのは、筆者だけでしょうか。

 もちろん、バックにボカシをかけた背景やクロマキーもたまに見ますが、あれって親しい仕事仲間ならOKなのかもしれません。しかし、なにか秘密主義的なヨソヨソしさを感じちゃうんですよね。

 そこで、筆者の場合、友人のような、親しい仕事仲間は普段の仕事部屋、インタビュー取材や初めてのクライアントの場合はリビングルームでウェブ会議をしています。

友人や親しい仕事相手とウェブ会議をする筆者の仕事部屋

 これは「フリーランスの臆病さ」なのかもしれませんが、部屋が殺風景だったり、顔色が悪かったりと、「この人、大丈夫かなあ」とクライアントやインタビュアーを不安にさせないことも大切だと思っています。参加者に講演料をいただいているウェブセミナーも同じです。すいません、小心者で……。

デメリット3 こちら側での会議内容(音声)の共有が難しいことも

 ウェブ会議では、ハウリング(エコー)が発生しないように、イヤホンやヘッドセットをお使いの方も多いと思います。筆者もワイヤレスイヤホンを装着して相手と会話しています。

 こちらの参加者が1人ならいいのですが、スタッフやアシスタント、マネージャーがこちらに同席している場合、セミナーなどで司会者がいるときは、そうもいきません。ワイヤレスイヤホンの片側をシェアしたりと毎回、頭を悩ませています。出力の多いミキサーを用意すればいいのかもしれませんが、いまのところ、カメラ機材やスイッチャーや照明などで手一杯なのが正直なところです。

クライアントやインタビューのウェブ会議だけでなく、ロケーション収録にも使うリビングルーム

デメリット4 ノンバーバル・コミュニケーションがわかりにくい

 ノンバーバル・コミュニケーションとは、言葉以外の意思疎通のこと。具体的には、相手の視線や表情などの変化で心情を察します。簡単に言えば「雰囲気」や「空気感」とでも言うのでしょうか。

 リアルな会議では、そんなノンバーバル・コミニュケーションで自分が話した内容が相手にちゃんと伝わっているかを確認するのですが、ウェブ会議だと画面からはほとんどわかりません。

 もしかしたら、これは筆者がクロースアップ・マジシャンという、観客のすぐ側でマジックを披露する職業病なのかもしれませんが……(汗)。

 この騒動、できる限り早く収束し、以前の会議スタイルに戻ってほしいと思うばかりです。もしかしたら、筆者が「昔はよかったのになぁ…」と思ってしまうオッサンの年齢になったからかもしれません(汗)。

最後に、少し宣伝ですが

 そろそろ、2021年版の手帳が文具店や書店などに並ぶ季節になってきました。

 「ほぼ日刊イトイ新聞」オリジナル商品として制作・販売される、「ほぼ日手帳」のページの下に掲載されている各界の著名人の「日々の言葉」。9月発売の2021年版にも、筆者のインタビューでの偉そうに語るワンフレーズが掲載されております。見かけたときは、チラリとお手に取ってくださると幸せです。

前田知洋(まえだ ともひろ)

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。

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