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ASUSのGeForce RTX 3080はMini-ITXケースに収まるか? 排熱できるのか? 試してみた

2020年09月17日 22時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax) 編集●北村/ASCII

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熱は対策を練る必要がある

 比較的小型なケース、および気になる空冷CPUクーラーなどへの熱の影響を見ていく。TUF-RTX3080/3090シリーズは、数少ない小型ケースにも実装しやすく、この手の情報はあったほうがいいと判断して計測した。

 計測はソフト読みとサーミスタを採用。使用アプリケーションはHWiNFO64。また本体側の設定はPerformance Mode/OC Mode。後述の通り、デフォルト設定を採用した。電源プランは高パフォーマンス。もっぱらバランスでの運用が多いと思われるが、限界値がわかった方がいいだろうということで、高パフォーマンスにした。

 結論としては、高温になってしまうのだが、ケース内の吸排気がしっかりしていれば解決は可能で、25mm厚の排気ファンが望ましい。バックプレートからも激しく放熱する関係上、マザーボードのレイアウトによっては、M.2ストレージの温度上昇が気になる可能性があり、簡易水冷の場合でもケース内エアフローがしっかりしていないと、システム全体の温度上昇に至るのは、RTX20時代と変わらない。

 素直にミドルタワー以上のPCケースで、簡易水冷にしておけばいいのだが、小型ケース派の皆さまにおかれましては、CPUのTDPを下げてみたり、GPUのクロックを許せる範囲で下げてみたりなどなど、楽しめる要素が増えることと思う。

温度を計測するため、サーミスタをベント10mm上空、背面プレート、ヒートシンクの3ヵ所に設置した

 以下が温度傾向の図とグラフだ。OCCT 3Dプリセットを30分間実行してみたときの各部温度だ。CPU使用率は5%ほどであり、温度上昇の要素はビデオカードのみに近い状況にできている。

今回のテスト環境とサーミスタ設置場所および最高温度

OCCT 3Dプリセットを30分間実行した際のCPU、SSD、ビデオカードの温度推移

 GPUを重点的に使う処理の場合、CPU側への影響はそれほど気にならないレベルで、どちらかといえば、M.2ストレージの温度上昇がやや高め。ROG Crosshair VIII Impactはドーターカードの上下にM.2ストレージを接続する仕様であり、ビデオカードに近いKIOXIA EXCERIA PLUS SSDの温度上昇が目立つ形だ。

 またATX規格のマザーボードではビデオカード付近にNVMeスロットがあるため、似た傾向になる可能性がある。

ドーターカード。この上下にM.2ストレージを接続する。あと、ビデオカードのバックプレートにREPUBLIC OF GAMERSの文字が反射してキレイ

 このとき、TUF-RTX3080-O10G-GAMINGのGPU温度は71~73度。処理としては、ヒートシンクと背面プレートでバランスよく熱を逃がしている。ベントも機能していると思われるが、背面プレート全体からの放熱のほうが気になるレベルだ。

 4Kでのゲームを想定した場合はどうだろう? FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク ver1.3を30分間ループさせてみた。設定は以下スクリーンショットの通りだ。

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク ver1.3実行時のグラフィック設定。解像度などの設定は3840×2160/ボーダレス

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク ver1.3実行中の温度推移。高負荷のゲームの動作も温度に目をつぶればOKといった結果。爆音回避の場合は、ミドルタワー以上がベター

 グラフのようにCPUとGPUともに70度台に入る。念のため2時間ほど継続してみたが、グラフ後半の状況が続いていたため、騒音は別として小型PCケースの場合でもOKだ。

 計測したTUF-RTX3080-O10G-GAMINGはオーバークロックモデルだが、TUF-RTX3080-10G-GAMINGのほうは定格クロックであるぶん、もう少し平和な温度上昇と思われる。

電源容量は850Wからが妥当

 ほどよくNVIDA推奨電源容量750Wの電源Seasonic「FOCUS PX-750」を使用中であるため、消費電力もチェックした。

 Seasonic FOCUS PX-750がちゃんと耐えるのか、OCCT v6.2.0 Powerプリセット8時間を実行したが、システム全体で540~570W間を推移し、シャットダウンすることなく完走している。またHWiNFO64で見ると、TUF-RTX3080-O10G-GAMINGの消費電力は353Wがピークだった。

 念のため記しておくが、電源についてはある程度の余力があるほうがハードウェア的にも精神的にもいいため、850W~1000Wの電源がベターだ。また電源によっては750Wと容量記載があっても12Vラインが太くないケースもあれば、表記が時限ピーク性能のことであったりするので、いまいちど使用中の電源スペックを見直しておきたい。

Seasonic FOCUS PX-750の出力
電圧 +3.3V +5V +12V -12V +5Vsb
電流 20A 20A 62A 0.3A 3A
電力 100W 100W 744W 3.6W 15W
定格電力 750W

 上記がSeasonic FOCUS PX-750のスペック。+12Vは744Wとなっている。負荷を考えると、やはり850~1000Wの電源にして余裕を持たせたくなる。

3Makr Fire Strikeプリセット時のTUF-RTX3080-O10G-GAMINGの消費電力

FF15ベンチマーク中のTUF-RTX3080-O10G-GAMINGの消費電力。ピークは353W。3840×2160/DLSS on/ボーダレス。グラフィック設定は温度計測時ものを流用した

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