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ASUSのGeForce RTX 3080はMini-ITXケースに収まるか? 排熱できるのか? 試してみた

2020年09月17日 22時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax) 編集●北村/ASCII

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重量、排熱、消費電力に気を使う代わりに性能は申し分なし!
現状最強のビデオカードといえる

 最後に、性能を見ていく。まずTUF-RTX3080-O10G-GAMINGはオーバークロックモデルになり、TUF-RTX3080-10G-GAMINGよりもブーストクロックが高く設定されている。

 モードはASUS GPU Tweak IIで見るとOC Mode 1815MHz、Gaming Mode 1785MHz、silent Mode 1755MHzとなっており、カタログスペックとGPU Tweak IIでの変動幅からすると、TUF-RTX3080-10G-GAMINGとの動作周波数差は以下のようになるハズ。

通常モデルとファクトリーOCモデルの動作周波数差
  TUF-RTX3080-10G-GAMING TUF-RTX3080-O10G-GAMING
OC Mode 1740MHz 1815MHz
Gaming Mode 1710MHz 1785MHz
Silent Mode 1680MHz 1755MHz

 デフォルトではOC Modeになっており、GPU Tweak IIを使用しない場合は、ブーストクロック1815MHzになる。物理スイッチによるPerformance ModeとQuiet Modeの切換も存在しているが、これは動作周波数への影響を確認できていないため、以下のベンチマークはPerformance Mode/OC Modeでの結果を採用した。先に公開されているFounders Editionのリザルト、愛用中の現環境とも比較して判断してほしい。

 ベンチマークは3DMark、ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク ver1.3、Horizon Zero Dawn、Blender Open Date(2.90)、V-Ray Next Benchmark(hotfix 4)を実行した。それぞれ3回ずつ計測し、その平均値を掲載している。またドライバーはレビュワー向けに用意された456.16を使用している。

3DMark
  Total Graphics Score
Time Spy 16850 18161
Time Spy Extreme 9027 9147
Port Royal 11606  
Fire Strike 32684 40114
Fire Strike Extreme 20053 20723
Fire Strike Ultra 11024 10805
  DLSS off DLSS on
NVIDIA DLSS feature test
(DLSS output resolutionは3840×2160に設定)
25.62 fps 45.84 fps
ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク
最高品質/1920×1080/仮想フルスクリーン 17296
最高品質/3840×2160/仮想フルスクリーン 13168
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク ver1.3
高品質/1920×1080/ボーダレス 12309
高品質/3840×2160/ボーダレス 7188
カスタム/3840×2160/ボーダレス(DLSS off) 7444
カスタム/3840×2160/ボーダレス(DLSS on) 8963
Horizon Zero Dawn
  Score FPS Max FPS Ave FPS min
最高画質/1920×1080/ボーダレス 20828 218 fps 115 fps 20 fps
最高画質/3840×2160/ボーダレス 12921 146 fps 71 fps 17 fps
Blender Benchmark
  2.90/CUDA 2.90/OPTIX
bmw27 27s 11s
classroom 1m16s 44s
fishy_cat 55s 21s
koro 1m16s 47s
pavillon_barcelona 2m30s 58s
victor 4m30s 1m28s
V-Ray Next Benchmark(hotfix 4)
GPU Score 638 mpaths

なるべく薄い3080/3090ならTUF Gaming
安定志向な人にもオススメ

 レビーュのとおりTUF-RTX3080-O10G-GAMINGはイイ感じだし、この検証が終わった後もそのまま使い続けたい気分になっている。クリエイティブ作業で使用すると長時間の負荷が続くし、ゲームをしている場合も同様であり、安定動作している点がとてもいい。数日間延々とベンチマークやゲーム、写真/動画編集してみたが、シャットダウンもなく良好な環境だった。この点は出荷前の144時間のテストをクリアしている点が大きいだろう。

 高負荷時の熱と騒音が課題だが、その解決も楽しめそうで、とくに小型PCケースを愛用するベテラン自作PCユーザー的には、冬場は暖房代わりにしつつ、春先に向けて対策を練ることができ、パフォーマンス以外でも、思いっきり楽しめるビデオカードといえる。

 STRIXシリーズに比べると見た目は地味なのだが見た目より性能重視、あるいはなるべく厚みのない3080/3090を考えるのであれば、TUF-RTX 30シリーズを強くオススメしたい。なお、通常モデルの「TUF-RTX3080-10G-GAMING」の実売価格は9万1000円(税抜)前後となっている。ファクトリーOCモデルの「TUF-RTX3080-O10G-GAMING」は一体いくらになるのか? 発売日や価格はプレスリリースを待ちたい。

2020年9月22日追記
リアとトップファンを換装して熱問題を解決

 4Kでゲームを遊ぶにしては、先の結果は動作面では問題ないが、精神的にはおよろしくない。一寸、ミニタワーにしようかと検討したが、そもそも現環境は2020年7月後半に組んだばかりであり、まだケースを変更する時期ではない。ということで、ちょっと加工してファンを更新してみた。

変更前のファン
フロント be quiet! SILENT WINGS3 140mm×2
リア SilverStone SST-FN124B
トップ SilverStone SST-FN124B

 ビデオカードがRTX 2060 SUPERのときは、SilverStone SST-FN124Bでなんら問題なかったのだが、CPUとドーターカード内のM.2ストレージの温度上昇を見るに、排気が追いついていないようだったので、以下のように変更した。トップについては、そもそもZALMAN CNPS20Xに阻まれて仕事をしていない感があったのだが、念のため。

変更前のファン
フロント be quiet! SILENT WINGS3 140mm×2
リア noctua NF-F12 industrialPPC-2000 PWM
トップ noctua NF-A12x15 PWM

NZXT H210のリアファン取り付け外側はこんもりと膨れており、そのままでは120mm25mm厚ファンを取り付けられないので、ざっくりカット

noctua NF-F12 industrialPPC-2000 PWMを取り付けた状態

横から見た状態。ZALMAN CNPS20X後部にスペースができてイイ感じ

 FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク ver1.3をファン変更前と同じ条件で実行した。全体的に温度が低下し、ビデオカードはほぼ70度に貼り付き、CPU温度も60~70度間をうろうろするようになった。M.2ストレージの温度も低下したので良好な結果だ。

 問題点としてはファンがケース外にあるため、騒音が気になる。ただ、何度目かわからない静音沼に入るのも面倒なので、ヘッドフォンをしておけばOKとした。

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク ver1.3実行中の温度推移。前半でCPU温度がゴリっと落ち込んでいる部分は、うっかり別PCのキーボードと間違えてWinキー+TABキーを押したタイミングになるので無視してほしい

計測時のファンの設定。トップについては、ベンチマーク中でもあまり風量を感じられず、なくてもいい気がしている。マザーボード背面の熱取りにはなっているかもしれないが

【関連サイト】

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