ジュピターテレコムは、au MVNOとして提供しているモバイルサービス「J:COM MOBILE」のサービス内容を刷新するとともに、従来はJ:COMの契約者に限定されていた申し込みを、オンラインで広く可能にするなど、その戦略についても紹介した。
J:COMと言えば、ケーブルテレビの国内最大手として知られる存在だが、同社代表取締役社長の石川雄三氏は最近の取り組みを紹介した。
2019年にJ:COM TVの新サービスとして開始したのが「J:COM LINK」。これはCATV用のセットトップボックス(STB)で、CATVのチャンネルだけでなく、NetflixやDAZN、TVer、YouTubeといったネット動画配信サービスも見られるもので、契約者はスマホにおいてもこれらのサービスの視聴はもちろん、スマホでSTBに録画した番組の視聴、録画予約が可能など、まさに放送と通信を融合したものと言える。
そんなJ:COMによるモバイルサービスの強味は、ケーブルテレビ加入というリアルなサービスを基軸としたユーザーサポート。訪問しての営業や地域で開催するスマホ教室などを通じて、使い方を含めてサポートすることで、60代より上のユーザーが60%以上を占めるという。
そのJ:COM MOBILEがユーザー層の拡大、コロナ禍への対策を目的として、ウェブでの申し込みを受け付けるなど、サービスを拡充する。具体的には、0.5GBプラン/3GBプランを料金そのままで、1GBプラン/5GBプランにする。1GBプランは長期契約を前提に月980円(以下、すべて税抜)。5GBプランは契約から24ヵ月間、月1000円の割引込みで月1980円、さらにウェブでの申し込みでは6ヵ月間、月600円の割引で月1380円と業界最安クラスの料金を実現する。
また、10GBプラン/20GBプランについては料金に変更はないが、通信量を使い切った際の速度が1Mbpsに増速される(従来は200kbps)。さらに公衆無線LANも10月からは、従来の「ギガぞう」に加えて「au Wi-Fiスポット」も追加。余った通信量の翌月繰り越し、自社の動画配信サービス「J:COMオンデマンド」での通信量をカウントしないといった機能は継続して提供される。
また新端末として、第2世代のiPhone SEも用意。64GB版の価格は5万400円(1050円×48回)だが、「端末割」として1050円が適用されるため、実質的な月々の端末代金は0円となる。また、石川氏によると、リーズナブルで高機能な新端末については「そう遠くない未来」に用意する考えであること、また音声通話サービスについても今回は間に合わなかったが、強化する考えがあることを示した。