眠りの成果が見える化できると意外なことにも気付く
iPhoneのアプリには「睡眠時間」のほか、眠ろうとして床に入っている「就寝時間」もグラフ化されて記録に残る。ベッドやふとんに入っても寝付けなかった時間があったことが、グラフを見るとよくわかる。筆者は目標とする眠りたい時間を達成できている実感があったものの、グラフをよく見ると本当は到達できていなかった。取材期間中は猛暑続きだったため、暑くて眠れなかったり、時々起きて水を飲んだりしていたからだろう。経過はグラフに正しく反映されている実感もある。
“見える化”できると、眠りのクオリティーをもっと高めたくなってくる。そこで「就寝準備」の機能を使いこなすことが大事になるわけだが、こちらは後で詳しく説明する。
ところで睡眠記録はヘルスケアアプリで設定した就寝時刻・起床時刻の前後約2時間を計測範囲にしているようだ。就寝時刻よりもだいぶ前にソファで“寝落ち”したり、お昼寝してもグラフには反映されなかった。特に「昼寝と健康との因果関係」は誰もが気になるところだと思うので、いずれは睡眠記録の対象にしてもいいと思う。
眠っている間にApple Watchは何をする?
ユーザーが寝ている間、手首に着けたApple Watchは加速度センサーでユーザーの微細な動作を計測して、眠りの記録をトラッキングする。アップルが独自に開発した機械学習モデルは、寝息の強弱など細かな動作まで正確に検知できるそうだ。
筆者は日ごろから心拍を計測するために、Apple Watch(大きいケースの方)をオールシーズン装着して眠る習慣を身につけているので、睡眠アプリによる計測にも特に違和感なく入れた。人によっては腕時計を着けたまま眠ることに抵抗があるかもしれない。この機にApple Watchはケースの小さな方に買い換えを検討される方もいると思う。
睡眠記録の設定を済ませていると、就寝準備時間が訪れた時におやすみモードがオンに切り替わり、iPhoneのロック画面がシンプルな表示になる。Apple Watchも睡眠の妨げにならないよう画面を暗転させて、バッテリーの消費も抑えるモードになる。画面を強くタップすると、画面の明るさを抑えた状態で時刻と日付、アラームの設定時刻をシンプルに表示する。Digital Crownを意思を持って回すと通常の画面表示に戻る。
就寝準備時刻になるとApple Watchにもリマインダーが表示されたり、眠る前後にはウォッチのバッテリー残量を知らせる。ユーザーに気持ちよく眠ってもらえるように、Apple WatchとiPhoneが頑張って連携する様子が頼もしく思える。
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