選ぶならポルシェ・ケイマンではなくアルピーヌA110
それではエンジンをかけてもらいましょう。カード型のキーを渡された星野先生。何の迷いもなくブレーキを踏んでイグニッションをオン! ですがエンジンはかかりません。アルピーヌA110Sは、ダッシュボードにカードキーを差し込まないとエンジンがかからないのです。エンジンが始動すると、ターボ車らしい低音が車内を包みます。「お! いい音」と合格点。それでは早速ドライブへ。
取材日はあいにくの大雨。ミッドシップ・リアドライブのクルマで雨は滑りやすいので注意が必要です。ですが危うさは皆無。実に安定感があります。公道では危険なのでオススメしませんが、トラクションコントロールなどをオフにすることもできます。
「結構脚が硬めですね」と星野先生。「でも苦痛かというとそうではない。公道で不快にならないギリギリのセッティングだと思います」と診察。ステアリングは重めで女子にはちょっと辛そう。ですが「回頭性がイイ! 気持ちよくコーナーを抜けていきます。それにロール量が少ないですね。だから怖さが少ない」と適格に判断されます。「とてもイイと思います。日常的に使うなら、もう少し柔らかい方がラクだと思いますが、サーキット走行も視野に入れられる方はこちらなのでしょうね」とのこと。A110は一般道向け、A110Sは走行会を楽しむ方向け、という狙いなのは明白でしょう。
「あと、アクセルが結構ダイレクトですね。踏めば背中にシートが張り付くほどの強烈な加速をしますね。リアにトラクションがかかっている感も楽しい。さらに背中からいい音が聞こえて。これはイイ感じです!」
いっぽうで「後方視界は見づらいですね。特に斜め後方は怖いかも」だとか。幸いアルピーヌA110Sのサイドミラーは大きめなので、車両後方がきちんと見えるよう、普通車よりも内向きにセッティングすることをオススメします。
アルピーヌA110Sを体験した星野先生。「ライバルはポルシェ・ケイマンSですか。あちらは結構街中で見かけますね。アルピーヌA110とどっち? と言われたら、私はこっちがいいな。だってアルピーヌA110は街で見かけないですもの」。確かにアルピーヌA110Sと星野先生、とてもお似合いでした。次回は官能の国、イタリアのクルマに触れて頂きたいと思います。お楽しみに。
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