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石川温のPCスマホニュース解説 第88回

「どんなときもWiFi」無制限終了 MVNOでは土台無理だった

2020年08月26日 16時00分更新

文● 石川温 編集● ASCII

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●クラウドSIMでも「容量の制限」はある

 同社ではクラウドSIMという技術を導入することで、MVNOであっても、無制限のプランが提供できるとしていた。

 そもそもクラウドSIMとは、クラウド上に、様々なキャリアと契約しているSIMカードが大量に刺さった機器を用意。ユーザーはSIMカードの情報をクラウド上から読み取り、キャリアに接続するという技術となっている。クラウド上に大量のSIMカードがあるため、ユーザーがそれらをシェアすることで、大容量の通信が可能だというのだ。

 しかし、それぞれキャリアと契約しているSIMカードには当然のことながら「容量の制限」が存在する。

 グッド・ラックの釈明文によれば「想定を遙かに上回るテラを超えるお客様もおり、結果上位5%のお客様で総容量の20%を占める状態となり、事業の採算上サービスの継続が困難」だったという。

 テラを超える通信をするユーザーがいるとなれば、キャリアと契約しているSIMカードが何枚あっても足りないはずだ。 

 そもそもMVNOは、キャリアから回線を借りてサービスを提供している会社だ。借りれば借りるだけコストはかさむわけで、無制限で提供すれば、いずれ破綻は見えている。

 どんなときもWiFi以外にも、無制限を売りにするMVNOのモバイルWi-Fiルーターは多いが、どこも最初は無制限であっても、途中で容量制限を入れてきたり、新規の契約を打ち切るところばかりだ。おそらく、いずれの会社も、ユーザーに狙い打ちされ、当初の想定を遙かに超えるデータ量が流れ、手に負えなくなったのだろう。

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