楽天は2020年度第2四半期(4~6月期)の決算説明会を開催。その中で、楽天モバイルの通信基地局建設の大幅な前倒しを進めることを公表した。
楽天モバイルが今年4月に開始した「Rakuten UN-LIMIT」では、自社エリアのデータ通信は「制限無し」であるのに対し、自社エリア外で接続するauエリア(「パートナー回線エリア」と呼称)では月5GBという上限がある(超過後は最大1Mbps)。そのため自社エリア拡大は、ユーザーにとってのサービス向上はもちろん、同社にとってもKDDIへのローミング接続料という負担の軽減のために大きな課題と言える。
この状況に対し、楽天グループのトップで、楽天モバイルの代表取締役会長兼CEOも務める三木谷 浩史氏は、基地局建設の大幅前倒しを進めることを宣言した。具体的には2020年6月時点ですでに電波が発射済みの基地局数は5739、契約締結済で工事や回線接続を待つ基地局数を合わせると1万3000を超えるとする。これにより、2021年3月時点では人口カバー率で70%に達する予定。さらに1.7GHz帯の周波数割当時に総務省に提出していた2026年3月末時点での予定を来年夏までに達成するとした。
こうした基地局建設の状況について、三木谷氏は「(エリア構築で)1番難しい都市部のところを乗り切ったのは大きい」と自信を見せ、ネットワークが十分にできた段階で予定していたという「第2弾のロケット」でユーザーの本格的な獲得を目指す考えだ。
なお、当初今年の6月を予定していたが、約3ヵ月をめどに延期すると発表していた5Gについては、9月末での商用サービス開始をあらためて公表。詳細についてはまた案内予定としつつも、「料金プランについては驚きもあるかなと思います」と含みを持たせた。
三木谷氏の発言内容について、説明会後に訂正があったため、記事タイトルおよび内容を一部修正しています。(8/11 22:00)