8月5日アップルは、自社の地図サービス「Apple Map」(アプリ名:マップ)の日本国内に関する大規模なアップデートを実施。同社は秋の新OSに向けて地図機能の拡張を予定しているが、「日本向け地図の改善」については「iOS 14」などの新OS公開に先立って展開される。公開されたばかりの地図をチェックしてみよう。
アメリカに続き、日本向けの地図が「完全刷新」
アップルは2012年から、自社製品に組み込む地図サービスとして、自社で投資して整備したものを使っている。初期には品質の面で大きな課題があったが、その後急速に品質を上げ、かなり使いやすいものに進化してきた。
今回のアップデートは、再度一から収集したデータをもとに作られたもので、アメリカの一部都市では2018年夏にロールアウトが始まっていた。今年6月のWWDCではアメリカだけでなく、他の国への展開が始まることも予告されていたが、その国の中に日本もあった、ということだ。
アップルの新マップの特徴は、表示がより詳細になっている点だ。公園の中の道が網羅されていたり、植物の植生がいくつかに分けて描画されていたりするので、地形のイメージがよりわかりやすくなっている。
また、大きなビルなどのランドマークには独自のアイコンが用意されている他、従来よりも詳細な3Dモデルでも表示される。ただしこれは、一部先日から先行して導入されていたようだが。
もっとも大きな変化は「Look Aroud」に対応したことだ。(アップルは嫌がるだろうが)わかりやすく言えば「アップル版ストリートビュー」というところなのだが、最近撮影されたものだけに、高精細でわかりやすいのが特徴だ。手前をタップすればゆっくり、奥をタップすれば素早く先へ動くので、解像度が高く画質が良いこともあって、ストリートビューより「その場を移動している感じ」がする。
またLook Aroudは、あえて車では入れないような場所を、徒歩で移動することでデータ化していたりする。鴨川デルタ(京都府)の「飛石」までデータ化されている。
この辺は、新型コロナウィルスの影響もあって自由に動けない今、「観光気分」で使うにはぴったりの要素だ。ちなみに日本は、Look Aroundがアメリカ以外で実装される初めての国となる。