ビル・ゲイツは感染症に警鐘を鳴らしたと言うが
── インターネットを見ていたら、ビル・ゲイツ氏が「人類が取り組むべき最も大きな課題が感染症対策だ」と何年も前に予見していたという話題に出会いました。こうした脅威に備えることも広義ではセキュリティです。感染症が人類の脅威になるという予見が現実のものとなったわけですが。
佐々木 「ここについては、実は社会における外部からの脅威としては比較的ありふれた指摘だった、という側面もあります。今回のパンデミックのように、めったに起こらないが、起こると大きな社会的ダメージがある事象を、ハイインパクト・ローフリクエンシ・イベント(HILF)と呼びますが、米国エネルギー省(DOE)が2010年にまとめたHILFに関するレポートで、3つのHILF事象が紹介されており、地震や台風の被害に加えて、サイバー攻撃とパンデミックが挙げられていました。今回経験したのはパンデミックですが、サイバー攻撃も当時から、社会的なダメージを与える事象として認識されています。新型コロナウィルスは、リモート化を進めましたが、大事なものがリモートで制御されてしまう環境下では、サイバー攻撃による経済的なダメージがさらに増すという側面もあると思います」
身近な問題の解決の先に、新しい未来が作られる
── 今日はお時間をいただきありがとうございました。座談会を終えての感想をいただきたいと思っています。
青木 「最後はすごくハイレベルな話となりましたが、より身近な家庭向けの情報発信をするとか、われわれとしてもやっていかないといけないことは多いと考えています」
佐々木 「働き方を見直す機会が幸か不幸か、突如現れました。出社は週2回の大事な打ち合わせだけにするなど、新たな取り組みも必要です。現状、私が会社に出社する理由があるとすれば、エクスペンスに関する領収書を紙にノリ付けして経理に提出することぐらい。コンカーを導入しているにも関わらずです(笑)。こういった状況が変わることを期待しています」
大谷 「GMOやヤフー!など、ITの会社はテレワークをより積極的に進め、その事例を切り拓いていくべきだと思います。SlackとかFacebook、Googleも当分の間はオフィスに戻らないという選択をしたようですが、それが新しい時代のノーマルになるなら、日本もそういう動きを取り入れていくべきでしょうね」
── ありがとうございました。