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せきゅラボ/有識者 座談会

新型コロナ後の新しい日常が、普通の1日になるには

2020年07月17日 17時00分更新

文● せきゅラボ

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 5月25日に緊急自粛宣言が解除され、1ヵ月以上の時間が経った。クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号が横浜港に到着したのが2月初頭、その後、3月から政府の要請によって全国で休校措置を取られたことを考えると、新型コロナウィルスによるパンデミックとその対策をする“落ち着かない日々”を半年近く続けてきたことになる。

 外出や外部との接触を極力控える“新しい日常”が訪れ、働き方や社会の在り方も大きく変わった。“ニューノーマル”といった言葉もよく耳にするが、IT分野でも、在宅ワークやそれに伴う情報システムの整備が課題になっている。

 インターネットがより重要な役割を果たすことは言うまでもないが、その中で継続性を持ち、安全なセキュリティの確保、そしてネットによって変わる社会をどう受け入れ、順応していくべきか。せきゅラボでは、マカフィー株式会社 コンシューママーケティング本部 執行役員本部長兼コンシューマセキュリティエヴァンジェリストの青木大知氏、同サイバー戦略室シニアセキュリティアドバイザーの佐々木弘志氏を取材。ASCII Team Leadersの編集長との座談会形式で、その内容をお伝えする。

 この記事は3月に掲載した記事:会社が突然リモートワークになったら? セキュリティ企業が捉える働き方と合わせてお読みください

クラウド化の緊急性がより一層意識されるようになった

── 在宅ワークも長期間になってきました。いち早く、在宅勤務に切り替えたマカフィーの現状について教えてください。

青木 「マカフィーでは、新型コロナウィルス対策に伴う“休校措置”やその後の“緊急事態宣言”などに先立つ、2月末からテレワークを実施しています。これができたのは、業務フロー自身が、テレワークに対応したものになっていたためです。

 実はここが大きなところです。

 弊社の場合、業務を基本的にクラウド内で完結する前提で、業務プロセスを組んでおり、自分のデータ、端末の管理、アクセス権なども整備された環境で、スムーズにテレワークに入っていけました。しかし、4月の段階では、テレワークのために部分的にクラウドを使ってはいても、業務フローの最適化までは進んでいない企業が多かったのではないでしょうか?

 また、働き方改革の流れの中、テレワークの阻害要因として、セキュリティの担保を挙げる企業も多かったと思います。そんな状況下で、自粛や出社禁止をして、半強制的に従業員が通勤できない状況になった。経営者にとっては、状況を直視し、業務プロセスを見直すきっかけになったのではないでしょうか?」

大谷 「KADOKAWAグループもここ数年、働き方改革を進めています。急速にクラウドの利用が進んでいますが、新型コロナウィルス対策に伴う、外出自粛要請によって、その取り組みの時間を短縮する必要性が生じました。特にクラウド化とそれに伴う、従業員に配布する端末の整備などは重要になっています。

 こうした議論は数年前からセキュリティベンダーがトピックスに挙げていました。私自身、『彼らが言っていたのはこういうことだったのか!』と、いままさに腹落ちしたタイミングと言えますね」

佐々木 「ご指摘の通り、決して新しい話ではないと思っています。クラウド化やDXはシステム導入の観点だけではなく、組織や社内文化の改革を伴うものであるというのが、わかってきましたし、その重要度が一気に上がったと思っています。 経営層はいま、『どういう働き方にすればいいのか』という課題を突き付けられています。新型コロナウィルスに限らず、災害など同種の事態が起こったとき、従業員を守りつつ、業務を継続していく必要があります。そのために業務プロセスとシステムのDX化は必須となりますし、今後はそういう会社しか生き残れなくなるでしょう。

── その解決策としてクラウド化とそれに沿った業務プロセスの刷新があるというわけですね。

佐々木 「テレワークというと、市場の関心はVPNに向きがちです。ただし、その限界も見えてきました。マカフィーは、昨年、全社的にOffice 365(4月にMicrosoft 365と改名)に移行し、VPNを張らずに業務を進められるようになりました。コロナ禍に対応する根本的な解決策を考えていくと、おのずと『リモートから制御できるクラウドでないと難しい』という結論に至ります。

 実際、営業活動やSEはリモートワークでも困っていません。また、デモや問い合わせに関しても、ほとんど製品がクラウド内での提供ですから、客先に赴く必要もありません。オンプレのシステムを管理する知り合いの情報システム管理者は、こういった状況でも、業務遂行のために、現地に赴いて作業を進めていましたが、他の社員がリモートワークしている状況の中で、出社して働くことに疎外感を感じていたようです。

 当然、セキュリティの話も出てきますが、データや業務フローをすべてクラウドに持っていくことができれば、クラウドはオンプレよりも自由度が高いので、比較的後付けでもセキュリティを担保できる面もあります」

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