新型コロナウイルスがスモールビジネスの経営に与えている影響の調査について
freee
freee株式会社(以下、freee)は、新型コロナウイルスがスモールビジネスの経営に与えている影響の調査を行い、公表することをお知らせします。
本調査結果は、スモールビジネスの支援に携わる公的機関の政策立案をはじめ、支援に携わる皆様が有効な支援策を実行できるよう、定量的な調査を実施し、公表することとしました。今回の公表に当たっては、freeeの利用規約に基づき、個社、個人が特定、類推されないよう細心の注意を払い、統計情報(傾向を見るために多数の企業について集計されたデータ)のみの公表としております。
freeeは、今後も「PowerToスモールビジネス」(https://www.freee.co.jp/power-to-smb/)を掲げ、スモールビジネスに向けた新型コロナウイルスの様々な支援活動を展開してまいります。
調査・公表方針
・一定期間会計freeeをご利用いただいているユーザー(※1)を対象とした統計データを分析
・業種別、月別に、1.売上高、2.地代家賃、3.給料手当、4.仕入高、5.外注費の勘定科目を
値を集計(※2)し、前年同月比、前月比を計算
・各勘定科目の集計値自体は公表せず、前年同月比、前月比のみを公表
・入出金から帳簿への登録までのタイムラグの影響は最小化されるよう調整
※1 エンタープライスプラン、プロフェッショナルプランのユーザーを除く
※2 データ数が少ない等の理由により、個社、個人が少しでも類推される可能性のあるデータは集計対象外
調査結果
(1)概要
・全業種において、4月よりコロナウイルスの影響が深刻化しており、
4月の売上高が前年同月比で50%未満となった事業所は、31.7%。5月は33.3%。
仕入高についても、売上高と同様の傾向が見られる。
・他方で、地代家賃、給与手当は4月、5月に減少はしているが影響は軽微であり、
前年同月比50%未満の事業所は、4月も5月も10%程度である。
・売上の大きな落ち込みに対して、地代家賃や給与といった固定費の減少が限定的であるため、
スモールビジネスの経営への影響は深刻であると考えられる。
・業種別で見ると、飲食、生活サービス関連業種(理美容等)への影響が大きく、
IT関連業種の影響は比較的小さい。
・飲食、生活サービス関連産業の売上高への影響は、5月も引き続き深刻であるが、4月に比べると改善。
その他の業種では、徐々に影響が拡大している。
(2)詳細
1.売上高
○前年同月比
■3月までは半数程度の事業者は売上高が前年同月比で増加しているが、
4月、5月は40%程度まで減少している。
■特に、前年同月比で50%未満の売上高となっている事業者が4月、5月は30%超を占めており、
3月以前の15%程度に比べて大きく増えている。
○前月比
■3月までは概ね前月通りだが、4月は30%弱が前月比で50%未満の売上となっている。
■5月に入っても前月比で100%以上の事業者が半数に満たず、強い復調の兆しはまだ見られない。
・前年同月比業種別
○前年同月比で50%未満の事業者割合は全体として増加傾向にあるが、
特に飲食業、生活関連サービス業で4月に急増。5月には割合が減少しているものの、
飲食業では依然として50%以上の割合を占める。
○IT業では売上高が50%未満の事業者割合は微増に留まっている。
2.地代家賃、3.給料手当、4.仕入高、5.外注費の分析も含む詳細版はこちら(https://docs.google.com/document/d/1X-lXNGBurCzF7eUk60ARlixEoo2xenoXthP06Vrogf4/edit)
内閣府への統計情報提供について
本調査に関連し、内閣府からの新型コロナウイルス対策への協力要請を受け、本調査に活用した統計情報を、内閣府に対して無償提供する予定です。
提供に際しては、個社、個人が特定、類推されない俯瞰的およびマクロ的な統計情報(傾向を見るために多数の企業について集計されたデータ)のみとすること、提供した情報は、新型コロナウイルスの中小企業に与える影響調査の目的のみに活用されること等を内容とした文書を、内閣府との間で合意した上で、細心の注意を払って行います。
本情報提供が、政府の支援策の充実に役立ち、一刻も早いスモールビジネスの皆様の経営状況の改善につながることを期待しております。