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「“ニューノーマル”見据えITフル活用の改革が始まった」Google Cloud 日本代表 平手氏

「Google Cloud Day」開幕、AIやサーバーレスなど最新サービスと事例紹介

2020年06月10日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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導入しやすい業種特化型のAIソリューション群をパートナーと共に提供

 AI/機械学習の最新ソリューションについても説明した。Google デベロッパー アドボケイトの佐藤一憲氏は、機械学習プロダクト群であるGoogle Cloud AIについて、その目指すところは「企業のDXをAIの力で強力に支援すること」だとしたうえで、画像認識や音声認識、自然言語処理といった技術を使いやすい形で提供し、AIのエキスパートから未経験企業までサポートする豊富な製品を揃えていることが特徴だと述べた。

Google デベロッパー アドボケイトの佐藤一憲氏

 その例として、ビジネスニーズに応じたAIシステム構築に活用できるAPI/プラットフォームを提供する「Cloud AI Building Blocks」、人の思考や発想と、機械学習によるパターン発見をリアルタイムに統合する「Cloud AI Platform Pipeline」、BigQueryやCloud Dataproc、Cloud Dataflowと統合し、クラウド上のマネージドサービスを開発環境として利用できる「AI Platform Notebook」などを、具体的事例も挙げて説明した。

Google Cloudの「Cloud AI」および関連サービス群

 さらに、ユーザー企業のスムーズなAI導入を可能にする「Cloud AI Solution」を、パートナー企業の支援のもと業種ごとに提供していることに触れ、そのひとつであるコンタクトセンター向けの自動音声応答ソリューション「Contact Center AI」を紹介した。このソリューションでは、スマートスピーカーの技術を応用して高精度の音声認識を実現したり、多彩な言語に対応した180を超える音声を選択できたりするという。

 リテール向けの「Recommendations AI」では、顧客の行動履歴から好みを解析して“お勧め”機能を実現しているが、90%以上のクリック率向上や40%以上のコンバージョン率向上、50%の収益向上といった成果が上がっているという。同サービスを活用する顧客として、ファッション通販サイトなどを展開するZOZOグループが紹介された。

 ゲスト出演したZOZOテクノロジーズ 執行役員 CTOの今村雅幸氏によると、ZOZOグループではすべてのデータをBigQueryに集約、管理しており、その総容量は2PB以上に及ぶという。類似アイテム検索から髪型別コーデ検索、クーポンやメール配信の最適化において、機械学習などを用いて新たなサービスを提供したり、サービスの改善につなげているという。今村氏は「ZOZOTOWNでは、すべてのモジュールに対してレコメンド機能を提供する予定であり、そこにRecommendations AIを活用する」と述べ、今後もGoogle Cloudの活用を通じてデータを武器にし、事業を成長させたいと語った。

ZOZOテクノロジーズ 執行役員 CTOの今村雅幸氏。すでにZOZOTOWNの「類似アイテム検索」などでGoogle Cloudを活用、成果を上げている

データベース分野では「Oracle on Bare Metal Solution」などを紹介

 Google Cloud カスタマー エンジニアの葛木美紀氏は、データベースおよび分析の観点からGoogle Cloudの活用について説明を行い、「Oracle on Bare Metal Solution」を紹介した。これは、オンプレミスに配置された「Oracle Database」のクラウド移行が課題となっている企業向けのソリューションだ。2020年中には東京リージョンでも一般提供開始する予定だという。

 「ライセンス制約があるオラクル環境をクラウドに移行でき、なおかつ同じ構成でコストを最適化できる。Google Cloudの東京リージョンから2ミリ秒以下のレイテンシで接続されるデータセンターに設置された、オラクル認定済みハードウェアで提供され、オンプレミスで使い慣れた仕様やサポート機能もそのまま利用できる。さらに(Google Cloudの分散データベースサービスである)『Cloud Spanner』を活用し、オラクルのワークロードを移行すれば、高可用性とスケーラビリティ、トータルコストの削減が可能になる」(葛木氏)

Google Cloud カスタマー エンジニアの葛木美紀氏は、低レイテンシでGoogle Cloudと接続されたデータセンターで提供する「Oracle on Bare Metal Solution」を紹介

 なおCloud Spannerについては、日本国内でマルチリージョン構成(高可用性構成)が利用可能になることも明らかにした。東京と大阪のデータセンターを利用してミッションクリティカルアプリケーションが構築できるようになり、より安全に利用できると強調した。ここではJCBやふくおかフィナンシャルグループなど、金融分野での活用例を示した。

 またデータベースサービス「Cloud Firestore」を利用することで、アプリケーションを迅速に開発できることも紹介した。NTTドコモや大阪ガスでの活用例を示し、開発運用工数を6割削減した例や、BigQueryを利用することで、オンプレミス比でデータウェアハウスのトータルコストを52%削減した事例も紹介した。

 ゲスト出演したギックス 代表取締役CEOの網野知博氏は、同社では行動トレンド変化を捉えるサービスを提供しており、モバイル空間統計データなどを活用して「エリアの価値」を可視化するサービス「トチカチ」をGoogle Cloudを使って構築し、新たなビジネスを創出できたと述べた。

 「Google Cloudによるフルマネージドサービスにより、2人体制ながらも1カ月強でローンチすることができ、さらに、新型コロナウイルスに対応した新たな機能の追加も適宜行っている。不確実な時代を乗り越える鍵は“Data Informed”であり、トチカチは、エリア情報においてData Informedを支援するツールになる」(ギックス 網野氏)

ギックス 代表取締役CEOの網野知博氏と、エリアの価値を可視化する「トチカチ」の画面例

顧客企業に最適な業種ソリューションを提供するためにパートナー連携を強化

 最後に再び平手氏が登場し、国内サービスパートナーとの連携について紹介した。顧客企業および業界が抱えるビジネス課題を理解し、最適なソリューションを提案するためには、「顧客と業界を知るパートナーとの連携が欠かせない」と語る。今回は、新たにパートナーに加わったSCSKと、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)がゲスト出演したほか、アビームコンサルティングや日立製作所がパートナーに加わったことも発表されている。

国内Google Cloudサービスパートナーの一覧

 SCSK 代表取締役社長兼CEOの谷原徹氏は、「共創ITにより異業種間を連携し、新たなビジネスを創出することでさまざまな社会課題の解決に貢献する。それを実現するうえで、Google Cloudとのパートナーシップは重要なもの」だと述べた。

 また、伊藤忠テクノソリューションズ 常務執行役員の粟井利行氏は、「ファミリーマートへのG Suite導入に代表されるように、企業の『働き方改革』をGoogle Cloudともに支援してきた。AIや機械学習、データウェアハウス、データ分析などの次世代ITプラットフォーム領域ではGoogle Cloudへの期待が高まっている。マルチクラウドを取り扱うクラウドイテングレータとして、Google Cloudとともに未来を開きたい」と期待を述べた。

SCSK 代表取締役社長兼CEOの谷原徹氏

伊藤忠テクノソリューションズ 常務執行役員の粟井利行氏

 平手氏はまた、デジタル人材育成に向けたトレーニングプログラムを提供していることも紹介した。

 「Google Cloudは、クラウドの基礎から応用まで広く学べるように、QwiklabsやCOURSERAといったオンイラン教育プログラムを用意し、多くの人が受講できるように、新たなキャンペーンも用意した。また、認定資格をオンラインで取得できるようにもした。実務に生かせるスキルを身につけてほしい」(平手氏)

 基調講演を締めくくる言葉として平手氏は、Google Cloudではさまざまな業種の顧客に対して、適切な技術とサポートを確実に届けることを最優先で取り組んでおり、「短期的な支援ではなく、将来を見据えて計画を立てる人たちを長期にわたって支援する」スタンスだと述べた。

 なお、米Google Cloudでは同社最大の年次イベントとして「Google Cloud Next」を開催しているが、今年はオンラインイベントに移行。「Google Cloud Next '20: OnAir」として、7月14日から9週間に渡って開催する。200以上のセッションが行われ、世界中のユースケースなども公表される予定だという。

訂正とお詫び:掲載当初、G Suiteの利用数を「600万人」としていましたが「600万社」の誤りでした。また「Google Cloud Next '20: OnAir」の開催期間は上記のとおり9週間です。そのほか誤記を修正しました。お詫びのうえ訂正いたします。(2020年6月10日 編集部)

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