業界人の《ことば》から 第394回
他の自治体が活用できるよう、サービスのオープンソース化も検討
新型コロナ/定額給付金、神戸市はたったひとりの職員が1週間で、申請状況確認サイトを構築
2020年06月11日 09時00分更新
仕様書を作っての発注から、実務の課題を職員自らが解決するスタイルへ
こうした取り組みを通じて、神戸市の久元市長は、「行政が仕様書を作って発注し、入札を行い、請負契約を結ぶという時代は終わりつつあることを強く感じた。特別定額給付金の申請状況等確認サービスなど、3つのサービスは、神戸市の職員自らが構築した。これは、行政サービスを作り上げるひとつの試みであり、今後、広げていきたいと考えている」とする。
神戸市では、スタートアップ企業と協働しながら、地域課題の解決に取り組むプロジェクト「Urban Innovation KOBE」(アーバンイノベーション神戸)に取り組んでいるが、「このプロジェクトでは、仕様書を作って、発注するという仕組みではなく、行政の実務レベルで抱えている課題を解決するためのアプリやプログラミングを公募し、実験をしながら、実装していくものになっている。今回の特別定額給付金の申請状況等確認サービスなども、実務レベルでの課題をもとに、日本マイクロソフトと連携しながら、職員自らが作り上げた」とする。
日本マイクロソフトでも、「政策形成の段階から議論ができ、その課題をもとに、我々の経験を活かしながら、行政機関に対する解決策を導き出せる」とする。
そして、オープンの考え方を導入しているのも特徴だ。
今回、神戸市が開発したサービスは、多くの自治体が利用できるように、オープンソースとして公開する予定だという。
「特別定額給付金への対応をはじめとして、神戸市と同じ課題に直面している自治体が多い。神戸市が作ったものを、同じ苦労をしている自治体に使ってもらうのは当然のことである」と久元市長は語る。
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