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オーディオテクニカ初のNC対応完全ワイヤレス

「高音質」と細部まで配慮した「できの良さ」~ATH-ANC300TWレビュー

2020年06月08日 13時00分更新

文● 佐々木喜洋 編集●ASCII

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便利なノイズキャンセリング/ヒアスルー機能を搭載

 ATH-ANC300TWは、ハイブリッド・ノイズキャンセリング技術を採用している。ノイズキャンセリングでは、周囲のノイズをマイクで拾い、その逆位相の音を出力に混ぜることでノイズを低減する。このマイクの設置の仕方によって、大きく2方式に分けることができる。マイクを筐体の外部に置く「フィードフォワード」方式と、耳に近いイヤホンの内側にマイクを配置する「フィードバック」方式だ。

ドライバーの音は、管(音導管)を伝って耳の近くに来るが、この管の中にフィードバック用のマイクが収納されている。

 一般的に、フィードフォワード方式は広帯域のノイズをカバーできるが、性能面では限界があり、フィードバック方式は帯域は狭いが高い性能を出しやすいと言われている。それぞれ長所と短所があるが、この2つの方式を複合化(ハイブリッド化)させることで、より高いノイズキャンセリグ効果を得ることができるのが、ハイブリッド・ノイズキャンセリング技術だ(メーカーによってはデュアル・ノイズキャンセリングなどとも呼ぶ)。

穴がハウジングの下側とフェイス部(2つあるように見えるがひとつはLED)に空いており、ここでノイズキャンセリングや通話時の集音をする。

 また、ヒアスルー機能も搭載している。内蔵マイクを使用して、外音を効果的に聞くことができる機能だ。

 左右がケーブルで繋がれたイヤホンでは車内アナウンスを聞きたい時や店員に話しかけられた時などに首にケーブルをかければすぐにイヤホンを外せるが、完全ワイヤレスはそれができないという隠れた欠点がある。ATH-ANC300TWにはクイックヒアスルーという機能があり、物理ボタンを押すことで、クイックにヒアスルーモードに切り替えることができる。

音質に優れたDLCコーティングの振動板を採用

 音質を高める技術としてDLC(Diamond Like Carbon)コーティングの振動板を採用している。

左から2番目の振動板は、樹脂素材にDLCのコーティングを施している。

 DLCは「Diamond Like Carbon」の略で、ダイヤモンドのように硬い素材を振動板のコーティングに使用している。DLCのメリットは、硬いので伸びにくく変形しにくいことである。これは多少難しく言うとヤング率が高いと言うことだが、振動板にとっては好適な性質と言われている。たわみにくく振動板の端まで歪まずに正確に振動させられるのだ。音の面では高音域特性が改善されるのがメリット。また軽くて硬いので振動板のレスポンスも高いと言われている。

 オーディオテクニカでは、上級機種のハイクラスイヤホンが採用する技術だが、それをあえて取り入れたのは本機での音質にかける意気込みが感じられるポイントだ。この製品向けに新開発したもので、直径も5.8mmと小型になっている。

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