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東プレ製の高性能キーボードのPFU向け限定仕様「PFU Limited Edition」

REALFORCE歴約20年筆者が東プレ製Mac版「PFU Limited Edition」をねっちりレビュー

2020年05月30日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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専用ソフトウェアで1個ずつのキーの実効ストロークを個別に設定可能

キー1個ずつ個別にカスタマイ可能な実効ストローク

 静電容量方式のキースイッチがすべてそうだというわけではないが、PFU Limited Editionは、静電容量方式でなければ実現できない驚愕のカスタマイズ機能を備えている。それは、すべてのキーについて、1個ずつ個別に実効ストロークを調整できるというもの。ここで仮に実効ストロークと呼んだのは、キーを押し込んでいったとき、実際にそのキーの文字が入力される位置のこと。これが小さければ、ちょっと押し込んだだけで入力され、大きければ深く押し込んで、はじめて入力されるようになる。

 この実効ストロークを個別に設定するためには、専用アプリ「REALFORCE ソフトウェア」を使う。これは、PFUではなく、東プレのサイトからダウンロード可能だ。

 このアプリの「APC」のタブでは、キーボード上のすべてのキーが、ほんのりと青、緑、赤のいずれかに着色して表示される。ちなみにAPCとは、「Actuation Point Changer」の頭文字を取ったもので、要するにスイッチが入ったり切れたりする位置を変更する機能のこと。これらの色は、実効ストロークの深さを表している。青はデフォルトの1.5mm、緑は2.2mm、赤は3mmだ。キーボードの上の表示で目的の深さを選んでから、個々のキーをクリックすれば、そのキーの実効ストロークが選んだ深さに設定される。

 この設定には、常道というものはないが、たとえば通常の文字キーは浅く設定して、素早い入力を可能にしながら、「delete」や「return」といったキーは深めに設定して、不意に触れてしまった場合の誤入力を防ぐという方法が考えられる。

 なお、すべてのキーを同じ実効ストロークに設定する場合には、このアプリを使う必要はない。キーボード本体の「delete」キーの右に位置する「fn」キー(一般的なキーボードの場合「Insert」の位置にあるもの)を押しながら、上向き矢印キー「↑」を押すと、全体の実効ストロークが1.5→2.2→3.0のように順繰りと変更される。今どの値に設定されているかは、F13〜F15キーの下にある4つのLEDの色の変化で知ることができる。LEDの色の意味は、上の専用アプリの色と同じだ。

任意のキーを入力できないように設定可能な「Key Lock」

 この設定アプリでは、ほかにも「Key Lock」などの設定が可能だ。これは、キーボード上の任意のキーの働きを止めて入力できないようにするもの。

 個人で使っている限り、具体的に有効な用途を考えるのは難しいかもしれない。ただし、展示用、あるいは共用パソコンなどでは、特定の操作を禁止したりするために有効に使えるかもしれない。

「設定」メニューでは設定の保存などの操作が可能

 もう1つ、「設定」タブのように見えるのは、実はメニューで、このアプリの設定をキーボードに書き込んだり、設定を初期状態に戻したりといった操作が可能となっている。

「設定」メニューの「インジケーターLED設定」設定では、キーボード本体のLEDの発光色と輝度を設定できる

 この中でちょっと面白いのは、「インジケーターLED設定」だ。これは上述のF13〜F15キーの下にある4つのLEDの発光色を、赤、緑、青、紫、黄、水色、白のいずれかから選べる。「OFF」を選べば消灯させることもできる。またLEDの輝度も弱、中、強の3段階に調整可能だ。

 このアプリは、キーボードドライバーとして常駐するものではなく、ドライバーの設定を変更するものでもない。あくまでも、キーボード内部の設定を変更するものだ。そのため、キーの割り当ての変更は、「CapsLock と Ctrlキーの入替」という最小限のものに限られている。ただし、「fn」キーを押しながら「end」を押して設定する「win mode」では、スペースバー左右のキーの機能が大きく変化する。英語配列の場合、左側のoptionがaltに、同じく左側のcommandがwinキーに、右側のcommandはアプリケーションキーに、同じく右側のoptionはaltになる。

 普通にmacOSで使用する場合、このモードに設定すると、commandキーが使えなくなるなど、まったく実用的ではない。しかしBootcampや仮想環境を利用して、MacでWindowsを動かす場合には、かなり有効な設定となる。

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