ライダーに360度の視界を提供するスマートヘルメット、資金調達開始
Borderless社「クロスヘルメットX1」Makuakeにてクラウドファンディング開始
株式会社Borderlessは、2020年5月20日14時より、クラウドファンディングプラットフォーム「Makuake(マクアケ)」にて、「クロスヘルメットX1」のクラウドファンディングキャンペーンを開始。
クロスヘルメットX1は、専用設計の双眼式HUDと超広角リアカメラを備え、ライダーに360度の視界を提供するバイク用ヘルメット。特許技術のサウンドコントロールシステムを搭載し、ユーザー自身による環境音場の制御が可能。またスマホアプリとの連携でHUD上にナビ情報や到着予想、天気予報の表示、グループトークや音楽再生などの機能を装備する。開催期間は60日間とし、支援者向けの出荷開始時期は2020年11月中旬頃となる予定だ。
超広角リアカメラと特許技術のサウンドコントロールシステムで安全で快適な走行をサポート
従来のヘルメットは視界が狭く、周囲の異常を見落としやすいことがバイク事故の多くの原因になっている。クロスヘルメットX1は、双眼式のHUDを搭載。端にアジャスターが付いており、回転するとIPD(瞳孔間距離)の調節が可能だ。HUDには、後部に搭載した超広角のリアカメラの映像を映し出し、ライダーが後ろを振り返らなくても、常に周囲の様子を確認できる。さらに、バイザーを左右に大きく広げることで、一般的なヘルメットに比べ、約30%視認性を向上させている。また、ヘルメットの左右にセーフティLEDライトを装備し、夜間でもライダーの存在を確認しやすいなど、安全面に配慮した設計となっている。
バイクでの走行中はエンジン音や風切音、メカノイズなどがヘルメットの中で反響して聴覚にダメージを与えやすい。クロスヘルメットX1はノイズキャンセリング対応のスピーカーユニットを内蔵しているが、単純に遮音してしまうと、周囲の音が聴こえなくなりかえって危険だ。そこで、外部の音場を周波数帯で切り分けて、ノイズだけをカットする独自のサウンドコントロールシステムを開発。バイクの種類や人によって聴こえ方が違うので、専用のスマホアプリから周波数帯ごとに調整できる。なお、この技術は「周波数帯によるコントロール」として特許を取得している。
スマホとはBluetoothで接続し、専用アプリでナビゲーションの表示やグループトーク、通話、音楽が楽しめる。充電式で連続稼働時間は4~6時間。重量は1920g、サイズはM(58~60cm)、L(61~62cm)の2サイズ展開で、カラーはラスターブラック。
株式会社Borderlessは、デザイナーの大野 新氏が2012年に設立したスタートアップ。従来のヘルメットのデザイン性、機能性を技術やデザインの力で改善できるのではないかと考え、2014年からプロジェクトをスタート。2017年の海外クラウドファンディングキャンペーンでは目標金額の300%を早期に達成し、量産体制を進め、2019年12月から支援者向けの出荷を開始。北米向けにはオンラインでの予約販売も行なっている。
開発の経緯をCEO大野氏に伺うと、「これまでにない先端技術を搭載するだから、デザインも刷新したいと考えました。そのため、既存のヘルメットに電気部品を載せるのではなく、ひとつひとつのパーツを1から設計し、金型を作り、そこにハードウェアとソフトウェアを埋め込んでパッケージングしています。当然、ヘルメットとしての安全性や耐久性も確保しなくてはいけませんから、非常にハードルが高かったですね」
苦労したぶん、今までにない洗練されたデザインは海外のライダーから反響が大きく、高い評価を得ているそうだ。
今回のキャンペーンは、国内販売に向けた体制を整えることを目的としたもの。予定価格は18万9000円で、キャンペーン期間中は最大25%オフ(数量限定)にて応援購入が可能。支援者向けの出荷開始時期は、2020年11月中旬頃を予定している。クラウドファンディング後は、国内での一般販売へ向けて、全国の販売店とイベントを開催していく計画だ。
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