「VIVE Cosmos Elite」で「Half-Life: Alyx」など注目の最新VRゲームがどれだけ快適に遊べるか徹底検証してみた!
2020年06月02日 11時00分更新
レースシムは重量級「Automobilista 2」
最後は最近登場したレースシム「Automobilista 2」で試してみよう。以前試した「Project Cars 2」と同様に非VR環境でもVRでも楽しめるゲームだ。
画質は全設定を「Low」とし、解像度はフルHD(1920×1080ドット)とした。ここでいう画面解像度とはVRヘッドセットではなく、メインのディスプレーに表示されるゲーム画面の解像度だが、解像度設定とVRヘッドセット内の解像度がリンクする。解像度をVRヘッドセットに合わせてしまうと重くなってしまうため、画質と軽さのバランスでフルHDとした。
テストは“Kansai Circuit”でレースを行ない、最も描画負荷が高くなるスタート直後から2000フレームまでのフレームタイムを、リプレイ再生中にチェックした。天候は雨天としたので、雨粒や水煙などのエフェクトが重なり負荷は高い。リプレイ時は実際のプレイ中よりも若干フレームタイムが増えてしまうため、グラフの数値よりも1ms程度下を見ておけばよいだろう。
●レンダリング解像度=50%の場合
●レンダリング解像度=100%の場合
●レンダリング解像度=150%の場合
Automobilista 2にせよ、以前試した「Project Cars 2」にせよ、メインのディスプレーに描画しつつVRヘッドセットにVR用の映像を送り込んでいるため、フレームタイムが長くなってしまうのは仕方がないところ。今回試した環境だと、RTX 2080 Ti以外は結構厳しい。ただ、レンダリング解像度50%設定だとアラが見えるので、若干のフレームタイムは犠牲にしても100%に近づけるようにした方がよいと感じた。
このAutomobilista 2で面白いのは、GPUのフレームが11msをオーバーするようになると、画面の至るところに「ブレ」が出ることだ。上手く画面キャプチャーできなかったので説明が難しいが、車のAピラーやステアリングやHUDの輪郭が、振動しているように描画されるようになる。VIVEシステム側のフレーム補完機能によるものと推察されるが、このゲームだと車の振動と錯覚しやすいので、フレームタイムが少々オーバーしても意外に気がつかないことがわかった。
また、このゲームではCPUフレームタイムが他のゲームより圧倒的に長いことが特徴だが、これはCPUのコア数という訳ではない。タスクマネージャーで調べてみると8C16TのCPUでもゲーム自体は4C程度しか使っていない。CPUのクロック勝負な側面があるようだ。
さらに、同じ設定・同じハードウェアでも、ライバルカーが密集し観客席なども多く描画されるスタート直後よりも、周辺にライバルカーや建物がない中盤以降のコースの方がフレームタイムが短くなる傾向も見られた。
VIVEコントローラーの互換性と高いトラッキング精度は大きな魅力
以上でVIVE Cosmos Eliteの検証は終了だ。ヘッドセットはCosmosと共通(前面プレートが違うだけ)なので新規性は今ひとつ感じられにくい製品だが、VIVEコントローラーでないと動かないゲームのことを考えると、互換性確保という意味ではこのVIVE Cosmos EliteがVIVE Proの正統後継者といっていい気がする。
レンダリング解像度100%程度に抑えておけば、RTX 2060もしくはRTX 2070 SUPERがあれば話題のVRゲームも快適に楽しめるだろう。
(提供:HTC)