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百麺人・山本剛志の「語りたいラーメン店」 第13回

長浜の屋台の雰囲気を東京で味わう!長浜ラーメン 呑龍(東京・新橋)

2020年05月14日 12時00分更新

文● 山本剛志 編集● ラーメンWalker

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 「日本三大ご当地ラーメン」にも数えられる「博多ラーメン」が広まる福岡市。福岡には「長浜ラーメン」と呼ばれるスタイルもあるが、両者は元来は異なる特徴を持っている。

 「長浜ラーメン」が生まれたのは、福岡市中央区長浜に魚市場が移転してきたのがきっかけ。市場前で営業していたラーメン屋台も長浜に移転してきた。中でも「元祖長浜屋」は、忙しい市場関係者の為に、すぐに茹で上がる極細麺を採用。大盛にすると麺がのびるので、替玉で対応するようにして人気を集めた。豚骨スープも、屋台ですぐに食べられるようにあっさりした傾向を持っている。

福岡市長浜で営業を続ける「元祖長浜屋」のラーメン

 「博多ラーメンと長浜ラーメンは別物」という意見は、今でも少なからずあるが、現在は博多ラーメンの店でも極細麺や替玉が一般的になり、「博多長浜ラーメン」という呼び方も広まって、両者を区別なく扱うようになっている。

 そんな中、福岡出身の方から「東京で食べられる長浜ラーメンは?」と訊かれた時には、新橋で20年以上営業している「呑龍」をオススメするようにしている。

新橋駅から、第一京浜を渡ってすぐのビルに佇む

 入口にはテラス席も設けられていて、福岡市の屋台を思わせる雰囲気。近隣で呑んだ人たちが二次会で立ち寄る事も多く、21時過ぎには満席になる事も。ビールや日本酒の他、焼酎のラインナップが豊富。つまみも「丸天」「おきゅうと」といった博多名物の他、焼き物、炒め物も充実しているので、がっつり食べたい時も満足できる。

 そして、もちろん締めにはラーメンを。

「長浜ラーメン」(650円)

 軽く濁りを見せたスープは、豚骨が持つ滋味を出しつつ濃すぎない味。細麺をするっと啜れて、呑んだ後の締めにもマッチするだけでなく、じんわりとした旨みを飲み干せる一杯。もちろん替玉もあり、麺の固さも選べる。

「柚辛ラーメン」(700円)

 このお店で人気なのが、自家製柚子胡椒を乗せたこのメニュー。薬味として合間に食べるもよく、スープに少し溶いて辛口にするのもよいが、個人的なオススメは細麺に絡めて啜るスタイル。爽快な辛さが喉を一気に駆け抜けていく。

 呑んだ後の締めにも、ラーメン目当てで訪問しても満足できる。現地の屋台の雰囲気をそのまま感じさせる、深夜まで頼れるラーメン店です。

山本剛志 Takeshi Yamamoto (ラーメン評論家)

2000年放送の「TVチャンピオンラーメン王選手権(テレビ東京系列)」で優勝したラーメン王。全国47都道府県の10000軒、15000杯を食破した経験に基づく的確な評論は唯一無二。ラーメン評論家として確固たる地位を確立した現在も年に600杯前後のラーメンを食べ続けている。

百麺人(https://ramen.walkerplus.com/hyakumenjin/

本人Twitter @rawota

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