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非力なPCでも参加できるビデオ会議サービスはどれだ?

ZoomやSkypeなどビデオ会議サービスのCPU使用率を調べてみた

2020年05月12日 09時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax) 編集●北村/ASCII

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バーチャル背景の使用と
デスクトップ全体の画面共有は高負荷

 Zoomの場合、ある程度負荷傾向が追いやすい。タスクマネージャーだけでなく、設定>統計情報に進むと、使用帯域幅やビデオ・オーディオの送受信状況を確認できる。Core i7-10710U搭載機の場合は、画面共有は状況次第だが、おおむね問題ない。ただファンの回転数は上がりっぱなしだった。また挙動を見ていると、GPUをそれほど使用していない。画面共有時にはGPU使用率が高まるアプリケーションが多いのだが、ちょっと意外だ。

ビデオやバーチャル背景の設定画面時の負荷が、ビデオ会議時の負荷に近い

画面共有をすると複数スレッドを使うようになるのだが、状況によってはほぼシングルスレッドのままのときも

 Zoomは自分だけでなく、参加者の状況によっても負荷が変化する。自分の映像を参加者が大きく見ている場合、その操作に合わせてサムネイル向けの解像度から、長辺640pxや1280pxの出力に変化する(Webカメラの性能により変化する)。

 フレームレートについては、10~30fps間で変動。これも負荷だけでなく、ビデオや画面キャプチャー先が動いていない場合はフレームレートを積極的に下げていく。もちろん、オーディオの場合も同様になるが、人数が増えるほど負荷が増えていく様子はない。

 というようにスマートなのだが、よくよく把握しようとすると面倒極まりない仕様だ。なお後述する他のサービスもZoomのような挙動をしているのだが、細かくは追いにくい。

 バーチャル背景をオンにして、3人で会議をしてみた場合で見ると、CPU使用率25%前後になった。これはビデオと音声のみの状態で、バーチャル背景をオフにした場合は15%前後に落ち着いた。

便利な「統計情報」。ビデオ会議がヒマなときの観察にオススメ

ビデオやオーディオ、画面の共有では解像度やフレームレートのほか、パケット損失率もわかるが、ともあれビデオの送受信は軽め

異なるデバイスでホストの画面を大きくしてみた状態。「見られている」判断がされて、送信側の解像度とフレームレートが高くなっている。もちろん、負荷は増える

 では画面共有はどうだろうか。長辺800px程度のウィンドウを取り込む場合は、要素次第だが、CPU使用率35%前後になる。動く要素がないものであれば、ファンはうるさいが処理がもたつくことはない。

 セミナーや授業ではよく、デスクトップ全体をキャプチャーするケースがある。この場合はCPU使用率50%以上になりがちだ。

デスクトップ全体の場合も動体要素が少なければ、負荷もデータ転送量も減らせる

 Core i7-10710U搭載機の場合で見ると、Zoomをシングルタスク的に運用するのであれば不自由は少ないが、バックグラウンドでなにか作業をするとなった場合は、なるべく最小化しておき、サブモニターに逃がしておくのが妥当なところだろうか。

 またホスト向きな環境とはいえず、デスクトップPCや15.6型の高性能ノートPCを視野に入れたほうがいいだろう。

 ではいよいよ、主要なビデオ会議サービスでのCPU使用率をチェックしていこう。

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