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ハイブリッドクラウドとAIが“コロナ以後”時代の重要技術に、「IBM Think 2020」基調講演

「コロナ禍は企業や社会のDXにとって『重大な転換点』」IBM CEO

2020年05月11日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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「あらゆる企業がAIカンパニーに」IT運用自動化のAIソリューション発表

 もう1つのキーテクノロジーに挙げた「AI」について、クリシュナ氏は「あらゆる企業が『AIカンパニー』になる」という未来像を示した。

 「わたしは(将来的に)あらゆる企業が『AIカンパニー』になるだろうと予測している。AI活用こそが、企業のイノベーション、インサイト、そして専門性をスケールさせる唯一の方法であり、AIカンパニーに“なれる(Can)”のではなく“ならなければならない(Must)”ようになるからだ」

 昨年のIBM Thinkでは、Watsonをあらゆるクラウド環境へ展開可能にする“Watson Anywhere”ビジョンを発表したほか、“AIサプライチェーン”を実現する「Watson OpenScale」などのツール強化を発表していた。

 今年は企業のAI活用を支援する新たなソリューションとして、ITインフラのオペレーションにAI技術を適用する“AI for IT”のソリューション、「IBM Watson AIOps」が発表された。IBMによるとあらゆる業種/規模の企業がターゲットであり、日本国内では2020年内に提供開始予定だ。

 Watson AIOpsは、ヘテロジニアス(異種混在)な企業ITインフラ全体から、イベントやアラート、ログ、メトリック、トポロジー、チケットといった各種データを一元的に収集、分析し、企業CIOやIT管理者に対し、AI/機械学習に基づくリアルタイムでの異常検知をはじめ、問題の優先順位付けやインサイト、インシデント解決のために有用な関連情報の提示などを行うソリューションだ。既存の統合IT運用ツールを置き換えるものではなく、それらをデータソースとしてAIが働き、高度なインサイトや自動化の能力を実現するという位置づけである。

「Watson AIOps」の概要(日本IBM説明資料より)

 Watson AIOpsの利点として、クリシュナ氏はまず「予兆検知(トラブル予測)」の能力を挙げた。予期しないITダウンタイムの発生によって、企業ITの世界では年間で265億ドル(およそ2.8兆円)規模の損失が発生しており、これを早期に予測することができれば大きなアドバンテージとなる。またITオペレーションの自動化を促進することで、IT人材不足の課題にも対応できる。

 また、Watson AIOpsはOpenShift上に構築されたソリューションなので、ハイブリッドクラウド環境のどこにでも展開可能だ。これに加え、ユーザーインタフェース(UI)にはSlackを採用して“ChatOps”を実現しており、同時に他システムとのプロセス連携/自動化のためのAPIも提供される。

Watson AIOpsはUIとしてSlackを採用し、チャットによる対話形式でITオペレーションを進められる“ChatOps”を実現している

* * *

 コロナ禍により、ますます未来の不確実性が高まり見通しが効かなくなった現在。そうした時代のなかで、クリシュナ氏は顧客への約束として「あらゆる顧客業界特有のニーズに対して、さらに理解を深めていくこと」を挙げた。

 「IBMは(顧客業界特有の)規制やセキュリティの要件、また市場機会やトランスフォーメーションの方向性といったものへの理解をさらに深めていく。さらに“Good Tech”における市場でのリーダーシップをさらに強め、顧客からの信頼を得ていく。迅速な活動を図るべく、起業家精神にあふれた企業文化も醸成していく。そしてIBMは、顧客ニーズに注意深く耳を傾け続け、ハイブリッドクラウドとAIに向かうジャーニーを支援することで、不確実な未来への備えを可能にしていく」

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