AI推論に不向きというx86の弱点を補うため
AI向けコプロセッサーを内蔵
CHA+Ncoreの開発動機は下の画像の通り。もともとのCHAは、ZhaoxinがKX-6000シリーズとして提供しているものの後継を目指したSoCだったようで、ターゲットはサーバー市場である。
CHA+Ncoreの開発動機。CHAそのものは汎用で特にAIに向けたものではなく、例えばEdge Compute Serverを構築したければ、44レーンのPCI ExpressにそれこそNVIDIAのTeslaを4枚装着して、あとは10GbEカードなどをやはりPCI Expressでつなぐといった形を想定していた模様
といってもCentaurの場合は企業向けというよりも、エッジサーバーやクラウド向けで、どちらもそれほどの高い性能は必要ない。ここに向けて8コアのSoC構成だったのがオリジナルのCHAである。ただx86そのものはそもそもAIの推論に向いてないし、もっと言えば学習にも向いていない。
ではどうするか、というのは各社各様である。AMDは「推論も学習もGPUでやった方が効率が良い」というスタンスで、今のところCPU側にそれを取り込む計画はない(と言いつつも、トレンドにあわせて少しづつサポートするデータ型を増やすといった対応はしているが)。
逆に積極的なのがインテルで、AVX512のニューラルネットワーク拡張(AVX512VNNI)やCooper LakeでのBfloat16のサポートなど、本来AI処理に不向きなx86を力業で向く構造にしてしまっている。
これに対してCentaurは、素直にAI向けコプロセッサーを内蔵するという方法を選択した。
もちろんこの方式でもいろいろチャレンジはあるわけで、その結果としてCentaurはコストあたり最大の性能を第一目標、低いレイテンシーを第二目標に定めた。

この連載の記事
-
第852回
PC
Google最新TPU「Ironwood」は前世代比4.7倍の性能向上かつ160Wの低消費電力で圧倒的省エネを実現 -
第851回
PC
Instinct MI400/MI500登場でAI/HPC向けGPUはどう変わる? CoWoS-L採用の詳細も判明 AMD GPUロードマップ -
第850回
デジタル
Zen 6+Zen 6c、そしてZen 7へ! EPYCは256コアへ向かう AMD CPUロードマップ -
第849回
PC
d-MatrixのAIプロセッサーCorsairはNVIDIA GB200に匹敵する性能を600Wの消費電力で実現 -
第848回
PC
消えたTofinoの残響 Intel IPU E2200がつなぐイーサネットの未来 -
第847回
PC
国産プロセッサーのPEZY-SC4sが消費電力わずか212Wで高効率99.2%を記録! 次世代省電力チップの決定版に王手 -
第846回
PC
Eコア288基の次世代Xeon「Clearwater Forest」に見る効率設計の極意 インテル CPUロードマップ -
第845回
PC
最大256MB共有キャッシュ対応で大規模処理も快適! Cuzcoが実現する高性能・拡張自在なRISC-Vプロセッサーの秘密 -
第844回
PC
耐量子暗号対応でセキュリティ強化! IBMのPower11が叶えた高信頼性と高速AI推論 -
第843回
PC
NVIDIAとインテルの協業発表によりGB10のCPUをx86に置き換えた新世代AIチップが登場する? -
第842回
PC
双方向8Tbps伝送の次世代光インターコネクト! AyarLabsのTeraPHYがもたらす革新的光通信の詳細 - この連載の一覧へ














